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Planning & Produce: co-lab, Ground Level Inc.
Direction: 熊井晃史 | Operation: シアターワークショップ | Graphic Design, Edit & Writing: BAUM LTD. |

OVER VIEW

徐々に戻る日常と変わりつつある情勢。
都市や広場はいま、どのような"場"を生み出すべきか。

2022年、渋谷キャストは開業から5周年を迎えました。
その内の半分の月日はコロナ禍にありましたが、今の状況でできること、この時代に求められている場所を考えながら、さまざまな風景を生み出してきました。
コロナ禍も3年目に突入。社会における行動の制約が緩和され、人々の日常が取り戻されつつある中で渋谷キャストは5周年祭を開催することとなりました。

This year's theme:“radical”

「周年祭のアウトプットは一見奇抜さもありますが、その実践に至る背景には、人が集まる場に求められる“本質”を探る姿勢が常にあります。開業5周年という節目の今、そこに今一度注目したい」
(渋谷キャスト5周年祭ディレクター・熊井氏)

2019年から周年祭のディレクションを務める熊井晃史氏の提案により、5周年祭のテーマは革新的・根源的という対照的な2つの意味を持つ「radical」と掲げられました。

radicalという言葉は「都市や広場はどのようにあるべきか」「そもそも人が場に求めるものは何か」という根源的なことを問い続け、新しい手法で実践してきた渋谷キャスト周年祭のあり方に重なります。
5周年祭では、radicalともいえるその実験的なスタンスは変わらず、さらに本質を追及し、都市や広場に新しい視点をもたらす2つの企画が屋内外で展開されました。
注目すべきは、それらが街にかかわる人々の”個”をひらき、交わるシーンを絶えず生み出したこと。その一部始終の記録をどうぞご覧ください。




radical



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INDEX
● THEME
● CONTENTS
1. 202X URBAN VISIONARY vol.8 - 都市のREAL・DIGITAL・VIRTUAL -
#0 THEME:変化のフェーズにある都市開発のこれから/REAL・DIGITAL・VIRTUALの横断
#1 SET UP TALK:都市DXの目的は、不動産開発と異なる領域の接続
#2 DISCUSSION:ディベロッパーの役割を自問し、共創の術を探る
Creator’s Findings:次なる論点は”国土の活用”

2. HOPE WALL -ふれる、はなす、こえてゆく
#0 CONCEPT:原動力は、4周年祭で街ゆく人が残した言葉
#1 DESIGN:壁と人の自然なコミュニケーションを促す
#2 IDEA & CHALLENGE:”壁”を創造性引き出すキャンバスに
Creator’s Findings:個人の手ざわりある痕跡を残すということ

CONTENTS

1. 202X URBAN VISIONARY vol.8

都市のREAL・DIGITAL・VIRTUAL

Produce/Planning:春蒔プロジェクト/co-lab、パノラマティクス



202X URBAN VISIONARYとは
大手ディベロッパーとクリエイターが一堂に会し、都市のあるべき未来を語るトークセッションシリーズ。 「街の将来のために、個々の開発事業を横断した共有と共創の場が必要ではないか」という提言から、2019年に渋谷キャスト発の取り組みとして生まれ、さまざまな会場をリレーする形で過去7回開催。参加者一人ひとりが会社のブランドを一旦降ろし、「個人の視点で自由に語り合う」ことをルールに設け、都市開発を先導してきたメンバーが横並びになり、本音で議論する異例の場が継続してきました。



Photograph:Keishi Sawahira


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#0 THEME
変化のフェーズにある都市開発のこれから
REAL・DIGITAL・VIRTUALの横断

「各エリアで進行していたさまざまな取り組みが実装フェーズへと差し掛かる今、その成果を実際の都市、あるいはヴァーチャルのフィールドにどう反映させていくかを各社で共有し、 リアルを踏まえたこれからを議論したい」
(URBAN VISIONARY発起人/パノラマティクス主宰・齋藤精一氏)

8回目となる今回のテーマは「都市のREAL・DIGITAL・VIRTUAL」。
国土交通省が主導する、「PLATEAU」(都市の3D都市モデルの整備を推進するプロジェクト)をはじめ、 多くのエリアが行政と推進してきた実証実験は実装段階へと移り始め、変革のフェーズに突入しようとしています。

東京の各地で開発が進む中、都市に関わる事業者たちがビジョンを共有し、都市の未来に向けて議論を続けてきたURBAN VISONARYですが、実装フェーズに向けた具体的な議論を始めるべき状況に立たされています。 今回はこれまでの議論を一層深めるべく、セットアップトークとディスカッション形式で展開していきました。


●登壇者
齋藤精一(パノラマティクス主宰)【司会進行】
豊田啓介(東京大学 生産技術研究所 特任教授、建築家、noiz/gluon)
山本恵久(日経クロステック/日経アーキテクチュア 編集委員)
後藤太一(リージョンワークス合同会社代表社員)
田中陽明(春蒔プロジェクト株式会社代表/co-lab運営代表)
雨宮克也(三井不動産株式会社 建設企画部長、三井不動産エンジニアリング株式会社 代表取締役社長)
近江友里恵(三井不動産株式会社 開発企画部)
重松眞理子(三菱地所株式会社 都市計画企画部 ユニットリーダー)
矢部俊男(森ビル株式会社 都市開発本部 計画企画部 メディア企画部 参与)
渡邊彰浩(東急株式会社 沿線生活創造事業部 エンターテインメント事業推進グループ 課長補佐 兼 フューチャー・デザイン・ラボ XRプロジェクト リーダー)




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#1 SET UP TALK
都市DXの目的は、不動産開発と異なる領域の接続

Set Up Talkとして、不動産分野のDXを牽引してきた先駆者として知られる森ビル・矢部俊男氏が登場しました。

Photograph:Keishi Sawahira


「不動産業界はDXにより、これまで知らなかった医療や金融の世界とも仲良くなる可能性がある。不動産開発の業態において、異なる領域をつなげることこそが、都市DXで実現すべきことではないか」(矢部氏)

事例として紹介されたのは、デジタル田園健康都市に指定された長野県茅野市の「災害対応行政支援システム」です。矢部氏も開発に関わるCityGML​​(仮想の3D都市モデルを定義するためのデータフォーマット)を使ったこのシステムの目的は、地震センサーで取得したデータを3Dの都市モデルに表示し、街全体の安全性を可視化すること。 高精度な防災訓練の実施や建物の耐震補強の検討にも役立つほか、防災情報に医療データを紐づけ、災害時の医療対応に展開することも検討されています。

矢部氏は3D都市モデルを扱うなかで、CityGMLでは医療や金融、防災といった異なる分野のデータを1つのレイヤーにまとめられることに気づいたと言います。
不動産開発の業態では「閉じる時代」が長く続き、業界内での個別最適化が進んできました。それが「坪単価の向上」という価値観に業界が縛られている一因でもありますが、 モビリティや医療など、時代は都市開発にも異なる領域同士が混ざり合うべきタイミングにきています。 領域同士をつなぐ「共通言語」の欠如が問題視される中、ディベロッパーが目指すべき方向性はどこにあるのか。今回はその問いに迫るところからディスカッションへと進みます。



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#2 DISCUSSION
ディベロッパーの役割を自問し、共創の術を探る

テーマに沿って進められたディスカッションタイム。各社の最新の試みを共有しながら今後のアクションにつなげる道筋が話し合われる中、DX化が進展する社会における、ディベロッパーの存在意義を当事者自らが問う場面も。
白熱した議論を見せたトピックを、メンバーからの象徴的な発言とともに記録します。


Photograph:Keishi Sawahira



TOPIC:業態転換|"不動産"という名前を変えたくなる

「ディベロッパーは土地を高く売るだけの仕事と思われがちだけど、やっていることはプロデューサーなのでは?」
「箱をつくる会社からサービスをつくる会社への転換が必要。『不』動産から『動』産へ」

日本の「総合」不動産業である大手ディベロッパーは、開発から運営・管理までを一括で担う世界でも稀な業態。とはいえコロナ禍によって働く環境と生活する環境が再定義される中、開発し続けることへの疑問の声も大きくなりつつあります。 今後はさまざまな部門を有するディベロッパーが枝分かれし、新規開発からその他の事業に軸足が移る可能性があるのではないか、「ディベロッパー」と称し続けることが適切かという根源的な問いが浮上しました。




TOPIC:地方と東京| 地方こそDAO

「経済的に潤った都会よりも、課題の多い地方の方が、DXの成果が可視化しやすい」
「地方の開発は儲からないとしても、 地方がどうレバレッジを効かせられるのかを都会の人間が考えなくてはいけないし、それがディベロッパーの価値ではないか」

DXの舞台は都市部に限定される話なのか。昨今、都市集中型から地方分散型への転換が、日本社会の持続可能性を決定づけると言われています。 つまり、分散型社会を実現するフィールドとなることが地方の可能性であり、地方はDXの舞台として都市以上にポテンシャルを秘めているのではないか。 DXの舞台を都市部だけでなく地方にもひらいていくことの重要性が強調されました。




TOPIC:DX=人| DXの本当の目的は何か?

「これまでの方程式を乗り越えるべく、社内に多様なキャリアを持つ人を迎え入れている」
「不動産業界は自分たちが買えないマンションをつくっていていいのか」
「地方からリソースを吸い上げて、地方の貧困を生み出してきたのでは?」

これまでの不動産業界は、アウトカムの設定に関する議論が不足してきたのではないか。その証拠に、全国各地で実証実験そのものが目的化し、その先に何を実装すべきかが見えていない取り組みが増えています。 DXの真のキーワードは「人」であり、リアル、バーチャルを問わず、人を中心に都市開発を考えることの重要性が再確認されました。




TOPIC:インターオペラビリティ| ディベロッパーはどうすれば共創できるか

「各社の共創には必然性が必要。必然性をもたらすためは、災害対策やバリアフリーなど、誰もが納得できるトピックが鍵」
「civic tech的な社団法人をつくる?仕事だと構えてしまうので、遊びがあるものや勉強会から始めてみる」

ここまでのトークを通して、エリアの囲い込みで利権を守ってきたディベロッパーは意識を変革し、データのオープン化がもたらす価値を理解することの重要性が共有されました。では、ディベロッパーはどうすればオープンマインドになれるのか。 全体最適を高めるために、民間主導でディベロッパー共通のプラットフォームとデータのフローを構築することなど、共創のための工夫やアイデアが提案されました。


Photograph:Keishi Sawahira

トークの終盤では、ディベロッパーの担当者から「東京一極集中を生んできたディベロッパーは本当に多くの人々の幸せをつくってきたのか」「過去の都市開発による弊害をディベロッパー自身が認識することなく、次に歩みを進めてよいのだろうか」といった未来を向くためのポジティブな自己批判が次々と語られました。そして、これまでの回でも「アクションを起こしたい」と発言してきた齋藤氏が、 「アクションにつなげるために、このメンバーを中心に団体を立ち上げることを宣言しておきたい」と決意を語り、議論を締め括りました。



Photograph:Keishi Sawahira


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トーク全体のレポート記事はこちら

Creator’s Findings: 次なる論点は”国土の活用”



田中陽明
(春蒔プロジェクト株式会社代表取締役/co-lab企画運営代表/クリエイティブ・プロデューサー)
「各ディベロッパーが抱えているエリア単位での議論だけでなく、“国土をどう活用するか”という議論が次のステップだと感じました。 都会のことを議論する土壌はできたので、今後は地方や郊外のような住宅街をどう変えていくかを考えていきたい」
「URBAN VISIONARY発の組織をつくっていきたい。これまでは利害から離れたところで活動できるクリエイターの強みを活かし、イニシアチブをとってきましたが、組織化にあたってはディベロッパーの後押しが必要になる。両者の強みと役割を活かして他者を巻き込んでいきたい」

生田目一馬
(春蒔プロジェクト株式会社/プロジェクト・ディレクター)
「普段は顔が見えないディベロッパーの方々が、いち個人として議論できる場があることの重要性を改めて実感。 渋谷キャストは成り立ちから、“個を集めてつくる”スタンスであり、それが今も続いている。まさに個人が積み重ねてきたものが堆積している場といえると思います


2. HOPE WALL -ふれる、はなす、こえてゆく

みんなの想いでパブリックを彩る

Produce/Planning: Ground Level Inc.(田中元子+大西正紀)
Design: 長岡勉(POINT)
空間デザイン・施工 :長岡勉 戸倉一 野田慎二(イロイロイロ研究所)
制作サポート:EMARF
Photograph:Yuka Ikenoya(YUKAI)


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#0 CONCEPT
原動力は、4周年祭で街ゆく人が残した言葉

「コロナ禍は、それまで以上にうまくいかないことに直面する場面が多く、人々の間にさまざまな壁が立ちはだかっています。 でも、壁はそもそも乗り越えるもので、その先に人の存在があるものでもある。だからこそ、壁を楽しみ、その先の人に思いを馳せられる体験を今つくりたいと考えました」(グランドレベル・田中元子)

企画を担当したのは、1周年から実験的な広場の使い方と楽しみ方を提案し続けてきたグランドレベルの田中元子氏と大西正紀氏。 前回の4周年祭では、「PLAY DISTANCE」という企画で、“ソーシャルディスタンスという制限=2mを遊びに変える”ことが試みられました。 中でも、2mサイズのオブジェにメッセージを括り付ける「メッセージモンスター」というコンテンツが大人気に。街ゆく人が次々とやってきては、たくさんの言葉で彩っていきました。
そこに残された言葉はどれも率直なもので、グランドレベルの二人も深く感動。その経験から今年は言葉で彩る「壁」をつくることを着想し、「HOPE WALL」という企画を立ち上げました。


「1階づくりはまちづくり」を掲げ、人々の能動性を最大限に高める活動を行ってきた彼らが常に考えているのは、「街を行き交う人を消費者・大衆として扱わず、表現者・制作者として迎え入れたい」ということ。 さらに、「渋谷は開発した側と開発された側、それぞれの立場が記号化している街だからこそ、そこに問いをなげかけるアプローチが重要と感じていた」と田中氏は振り返ります。



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#1 DESIGN
壁と人の自然なコミュニケーションを促す

街ゆく人々を壁へと誘い、想いを引き出しながら広場の風景を彩っていく。その受け皿となる空間デザインを担当したのは、イロイロイロ研究所の長岡勉氏、戸倉一氏、野田慎二氏です。

壁が“壁然”とせず、訪れた人たちとの自然な関わりをいかに生み出すかが最大のポイントでした」(長岡氏)

そこで、壁をキャラクター化することや、壁同士を自在に組み合わせてミニチュアの建物のような空間をつくることを考案しました。

POINT:シンプル×コンパクト×フレキシブル
複数の壁からなる空間は、一見複雑な形で構成されているように見えますが、実際にはシンプルなシステムと少ないバリエーションによって、積み木を組み合わせるように空間がつくられています。 こうした造形は、VUILD株式会社が提供するデジタルファブリケーション技術を用いたサービス「EMARF(エマーフ)」を活用することで実現しました。

「この空間は、部分的に切れ込みを入れた4種類の型をベースに、高さを変えたものを組み合わせて構成されています。レイアウトを自由に変えられるので、変化に富んだ空間を簡単につくることができる。 また、切れ込みを入れることで壁が自立すると同時に、子どもたちがそこに入ったり、向こう側をのぞいたりと、遊びが生まれる空間にもなります」(長岡氏)

POINT:複雑で変化に富んだグラフィック
壁に描かれたグラフィックは光の状態や、見る角度でさまざま表情を引き出します。
「立体的な壁に描かれたグラフィックは、光が差し込んだ時に影と連動して新しい表情を生むことが計算されています。 マスキングテープのようなカラフルな色の帯は、文字を描いたり、紙を貼ったりする際にガイドの役割も果たします」(長岡氏)



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#2 IDEA & CHALLENGE
”壁”を創造性引き出すキャンバスに

そうして出来上がった色やカタチもさまざまな壁の数々は広場全体を彩ります。この壁は、通称“ウォールくん”。 有機的に増やしたり、自由に形を変えることで、まるで生き物のようにふるまう生きた空間を形づくっていきました。

壁に近づいてみると、ユニークな問いかけの数々に目が留まります。「今晩、何食べよ~?」「最近のマイブーム!」といった他愛のない質問から、「人生の壁!ってどんなの?」「どんなことにモヤついてる?」といった心の内を聞き出すもの、遊びの要素を効かせた「LET’S 俳句でゴーシチゴー!」。
それに対して、訪れた人はアンサーを自由にカラフルな紙や木のプレートに書いて飾っていきます。ずらりと並んだコメントを見ると、ほっこりするものからクスッと笑えるもの、ここでしか明かせない赤裸々な想いまで実にさまざま。 思い思いに綴られた言葉が、もの言わぬ壁に喜怒哀楽の表情を生んでいました。





靴を脱いでくつろげる芝生のエリアに進むと、値札のついた色とりどりの端材の数々が。これは、空間デザインを手がけた長岡勉氏らの遊び心から生まれた、気づいた人だけが買える「即席フリマ」の場。
また、一人の男の子が長岡さんに「家をつくりたい」と持ちかけ、余っていた材料を使って一緒に小さな家づくりに励む場面もありました。



ユニークな壁がつくり出す空間には、どんな想いも受け止めてくれそうな、あたたかな空気が流れていました。 人と人、人とものを隔てるものとしてネガティブに捉えられがちな壁も、創造性が発露するキャンバスになり、人の想いに触れる新しい体験を提供するツールにもなる。 「HOPE WALL」を通して、壁が街ゆくあらゆる人を表現者として迎え入れ、その個性や想いをひらいていく様を目の当たりにしました。


Creator’s Findings:個人の手ざわりある痕跡を残すということ




Caption: 大西氏による現場風景のメモ。造作物の配置一つひとつのこだわりや、現場スタッフへのコメントも綴られている。

大西正紀
(株式会社グランドレベル)
「言葉や手で何かを表現したものを通して、その人の痕跡を残すことに挑戦できました。 ポジティブではないことも共有できる場があることは重要であり、そのことは、単に提供者と受け手の関係では成立しないことを感じました」

田中元子
(株式会社グランドレベル)
「いろいろな事情や思いを抱えている人たちが行き交う公共の場で、人をひとりの人間として扱うのはとても難しいこと。 予期せぬ出来事が起こる可能性もありますが、そこをあきらめないのが渋谷キャストであると改めて感じました」

加藤芳樹
(株式会社シアターワークショップ/オペレーション担当)
「周年祭では、いつも実際に場ができあがるまでは何が起こるのか未知数ですが、今回人々が彩っているものを目の当たりにして、これをどうにかして守らなくてはいけないと思いました。 また、街ゆく人たちの想いに触れられる場所は、人と人のつながりを生むポイントになることも実感しました」



ディベロッパーが顔を突き合わせて街の未来をともに探るURBAN VISIONARYと、街ゆく人を表現者に変えていく広場。 今年のアウトプットは、これまでに積み重ねてきた取り組みや成果を一層深める内容であり、次なるステージへの移行を予感させました。
そして、個人の想いや考えをひらくそれぞれの企画からは、クリエイターの集積によって生まれた渋谷キャストが、開業から5年が経った今も変わらず、あらゆる人を意思ある“個”として迎え入れる姿勢がにじみます。
理想の都市は一朝一夕で形になるものではなく、そこに集う人の想いを引き出し、分かち合い、考え続けることで近づけるもの。確固たるスタンスと根底にある思想を貫きながら、来年度も新たな挑戦に挑みます。

CREDIT

Planning & Produce

co-lab / Ground Level Inc.

Direction

熊井晃史

Operation

シアターワークショップ

Graphic Design, Edit & Writing

BAUM LTD.