ジャーナル
<EVENT REPORT> 渋谷おとなりサンデー
6月4日(日)、渋谷区初の取り組みとなる「渋谷おとなりサンデー」が開催されました。これはフランス・パリで始まった隣人祭りをモデルに、普段話すことの少ない近隣の人と、楽しくカジュアルに交流を深める日にしましょうというもの。渋谷区では今年から、毎年6月第1日曜日をおとなりサンデーの日と制定し、区内各地でさまざまな交流イベントが行われました。
渋谷キャストでは、発信拠点会場として1日を通してさまざまなイベントが開催。トークセッションや町内会の皆さんが集まるピクニック、スタートアップやベンチャー起業のプレゼンイベントなど、たくさんの"おとなりさん"が集まる1日となりました。
午前10:30。夏のように太陽がさんさんと照らす渋谷キャストの広場には、多くの人が集まっていました。まずは長谷部健渋谷区長による開会宣言が行われ、続いて「渋谷のラジオ」理事長でクリエイティブディレクターの箭内道彦さん、東京理科大学教授/シビックプライド研究会代表の伊藤香織さん、渋谷おとなりサンデー事務局を務めるNPO法人シブヤ大学の青木優莉さんを交えてトークセッションへ。
今年初開催ながら、約40ヶ所でイベント企画が集まったおとなりサンデー。外国人観光客に向けた地元商店街ツアーや小さなカフェで行われたおむすびワークショップなど、イベントはすべて、渋谷区に住む人や働く人が取り組みに関心を持ち、自主的に企画したものです。
このことに対し、箭内さん、伊藤さんからそれぞれ、誰もが主催者になれる仕組みや、好きなことを好きなようにできるといった特徴が反響を呼んでいるのではと話します。 長谷部区長も今年はまず、来年に向けて見本となるイベントが2、3件開催されればと考えていたそうですが、思いの外多くの方の手が挙がり、大きな手応えを感じたそうです。
その後も、おとなりサンデーがより広まるように、渋谷で「おとなりさん」という言葉を浸透させる工夫や、ピクニックセットを使った公共空間の楽しみ方などさまざまなアイデアが飛び交いました。次はこんなイベントをしてみたいと話は発展し、早くも来年への妄想が膨らむひとときとなりました。
トークセッションステージの向かい側には、黄色のパラソルと芝生が敷かれたピクニックスペースがあり、周辺の町内会の会員の皆さんがそれぞれ持ち寄った食事を楽しんでいました。
パラソルの下でお酒に舌鼓を打ったり、芝生の上にシートを敷いてくつろいだりと、ゆるやかな時間を過ごしていると、不思議な楽器を持った音楽隊が登場。
渋谷の街中を舞台にした参加型音楽フェス「渋谷ズンチャカ!」(2017年は9月3日に開催予定)による1日限りの出張パフォーマンスが始まります。子供からスーツのお兄さん、町内会の年配の方まで巻き込んでドラムセッション!広場が愉快な音楽と笑いに包まれました。
明治通りと美竹公園側を結ぶ貫通通路の階段では、BtoCベンチャープレゼンイベント「sprout(スプラウト)」が開催。co-ba(株式会社ツクルバ)・IBM BlueHub ・トーマツベンチャーサポートの共催で行われるこのイベントは、「渋谷からベンチャー・スタートアップを応援する」をコンセプトに、新しいサービスやそれを生み出す人とユーザーが直接出会える場になっています。この日は6名の起業家によるプレゼンが行われ、参加したユーザーからするどい質問が飛び交う場面も。スタートアップ企業が多く集まる渋谷らしい、熱気あふれるおとなりさんたちの交流が生まれました。
通りがかりの人も、何をしているのだろうと思わず立ち止まったり、渋谷各地で行なわれているおとなりサンデーのイベントマップを見て、「これおもしろそう!」と次の目的地を探す姿が見られました。
普段からクリエイター、住人、オフィスワーカー、地域の人など、さまざまな人が行き交う渋谷キャストですが、この日は渋谷の地域交流の場として、多くの"おとなりさん"たちの交流の風景を見ることができました。