ジャーナル
<EVENT REPORT> 暮らしのそばにあるVRを体験 『HELLO VR!SHIBUYA vol.1 in SHIBUYA CAST.』
8月25日(土)、VRやMR、ARなどの最新技術を気軽に楽しめるイベント「HELLO VR!SHIBUYA」が開催されました。
VRとは、Virtual Reality(=仮想現実)の略称で、コンピュータで作られた仮想空間の中にいるかのような体験ができる技術のこと。聞いたことはあるものの、私たちの暮らしとは遠い存在に感じますが、実はゲームコンテンツ以外にも身近なところで使われ始めています。
第一回目となる今回は、渋谷キャストのクリエイター専用シェアオフィス・co-lab渋谷キャスト、MRやAIなどを次世代のビジネスへ昇華させるラボを運営するSpiralMind、日本唯一のVRエンジニアスクールであるVRデザイン研究所の三者合同企画により行われました。
VRやMR、ARなどの最新技術を使った製品を体験できるブースや、VRを専門に学ぶ学生の作品展示など、バラエティに富んだコンテンツで盛り上がったイベントの様子をレポートします。
広場をまっすぐ進むと見えてくる大階段では、接客ロボット「Cruzr」がお出迎え。 「なんだろう?」と不思議そうにみていたお客さんたちも、次第に近寄って握手をしたり、写真を撮ったりとコミュニケーションを楽しんでいました。
その隣に展示されていたのは、VRを使ってあらゆる観光地を覗き見できるというプログラム。これまではガイドブックやウェブから情報を得て決めていた旅行先も、疑似体験ができることで事前の情報収集のためだけでなく、旅行前の期待も高められそうです。
メイン会場となった多目的スペースには、開場したばかりにも関わらず、すでに大勢の人で賑わっています。
会場へ入るとまず目の前にずらりと並ぶのはVRデザイン研究所の学生が制作した作品たち。それぞれ気持ちのこもったプレゼンテーションに、来場者のテンションも倍増です。
会場に出展・展示しているコンテンツの多くは、ゴーグルのようなHMD(ヘッドマウントディスプレイ)という機械を装着して楽しみます。
実際に体験してみると、360°どこを見渡してもゲームの世界が広がっており、そのリアリティに驚きを隠せません。
当日はVRを使用した防災訓練や運転シミュレーターなど、暮らしの中で使われているものがあり、普段はテクノロジーになじみのない方も気軽に楽しめるコンテンツも充実していました。
サテライト会場であるco-lab渋谷キャストの1階ラウンジでは、小学生以下の子どもでも体験できるARを活用したコンテンツがあり、夢中に遊ぶ子ども達で大にぎわい。
ミラー型のデバイスを使って現実の世界では見えない宝探しをするゲームや、壁に向かって自由に落書きができるプログラムなど、普段は目にすることのない体験に子どもたちは興味津々。コントローラーをぎゅっと握りしめ、思い切り楽しんでいました。
イベント終了後は、参加企業や出店した学生が集まり、アフターパーティーへ。 イベント中の盛り上がりもさめやらぬ中、特別プログラムでゲストが登場。
テクノロジー芸人のかねしゅんさんとペッパーによる漫才やVRアカデミーの卒業生であり、VR芸人として活動する佐々木ぽんすけさんによるネタが披露され、まさに最先端な笑いに会場をさらにあたためます。
そのあとは、VRアカデミー授賞式が行われ、来場者の投票や審査委員によって選ばれた学生の作品に賞が贈られました。
スピーチでは、それまでプログラムを書く経験のなかった方や、仕事の合間になんとか時間を作って完成させたという方など、それぞれの想いが溢れ、涙が流れる場面も。
学生同士讃えるさわやかな姿に、VRの明るい未来が垣間見えました。
「人々がスマホを持つような感覚でVRデバイスを持てるまで技術が進歩した時に、暮らしの中への浸透率はぐんとあがると思います。ただ、機械と言ってもそこに”あたたかさ”はあってほしいと思っているんです。私たちも技術の開発と並行して、その技術を使う人の心がどうすればポジティブに動くのかというのは日々考えていますね」と話すのは、このイベントを主催するうちの一社である株式会社SpiralMindの山田さん(画像左)。
また、VRデザイン研究所代表の勝野さん(画像右)もこのように話します。 「スマホがコミュニケーションのメインツールとして進化を遂げたように、VRも近い未来、そうなり得ると思っています。例えば、遠くにいる人と同じ空間にいるような感覚で会話ができるようになったり、海外で開催されている試合を自宅にいながらそのスタジアムにいる感覚で応援できるようになったり。そんな暮らしの中でのVR体験をきっかけに、世界が広がるような技術へ進化していってほしいなと思います」
大人も子供も夢中になって楽しむ姿は、まだまだ先だと思っていた「VRやARが私たちの暮らしの一部になる未来」もそう遠くはないのかもしれないと感じたこの日。さまざまなクリエイティビティが集い、新たなアイデアやビジネスの活動の拠点としても機能する渋谷キャストらしいイベントとなりました。