ジャーナル
<EVENT REPORT> 『渋谷の未来像をコンピューテーショナルデザインで考える』 - 2018/4/30
渋谷キャスト開業時に行ったトークセッション『クリエイティブコミュニティの集合知で行う施設デザインと運営~そこから生み出される新しい価値とは~』と、2018年の渋谷キャスト1周年祭で行ったトークセッション『渋谷の未来像をコンピューテーショナルデザインで考える』を経て、また今年2019年4月に行う渋谷キャスト2周年祭でも、渋谷をはじめとする都市の未来について語るトークイベントを企画しています。
近々その開催情報をローンチする予定ですので、まずはお先に、未公開だった2018年トークセッションの詳細なレポートをお楽しみください!
PHOTOGRAPHS BY Kazuomi FURUYA
TEXT BY Jun KATO
開業1周年を記念して行われた「渋谷キャスト周年祭2018 SHIBUYA CASTING!」。2018年4月30日夜、周年祭のフィナーレを飾るトークセッション『渋谷の未来像をコンピューテーショナルデザインで考える』が、渋谷キャスト スペースで開催されました。
登壇したのは、渋谷キャストの特徴的な建物ファサードデザインやランドスケープザインなどを手掛けた建築家の豊田啓介さん(noiz)、そして渋谷キャスト貫通通路の常設インスタレーション「Axyz」やガーデンの壁面イルミネーションなどを制作監修した齋藤精一さん(Rhizomatiks)、渋谷キャストの運営管理者で渋谷のまちづくりに携わってきた東京急行電鉄株式会社 都市創造本部の山口堪太郎さん、渋谷キャストの建物ブランディングディレクションを担当し、建物内のシェアオフィス・co-lab渋谷キャストを企画運営する田中陽明さん。さらにモデレーターとして日経 xTECH(クロステック)・日経アーキテクチュア編集委員の山本恵久さん(日経BP社)を迎え、これからの渋谷のまちに対するディスカッションが深められました。
(左より、田中陽明さん、山本恵久さん、山口堪太郎さん、豊田啓介さん、齋藤精一さん、水口貴尋さん)
トークセッションに先立ち、渋谷キャスト総支配人である水口貴尋さん(東京急行電鉄株式会社 都市創造本部 渋谷戦略営業部 営業推進課 主査)より挨拶がありました。
「渋谷キャストではクリエイティブな人たちを盛り上げてサポートし、寄り添う施設にしたいと、1年をかけて場づくりをしてきました。これからも2周年に向けて、クリエイティブな人たちと新しい渋谷に調和していきたい」
続けて渋谷キャストにデザインディレクションで関わり、今回のトークセッションを企画したco-labの田中陽明さんは「毎日のように渋谷に通っていると、もっと街に新しい次元の刺激を与えられるのではないかと感じます。豊田さんや齋藤さんのような先端テクノロジーに精通した方々に、新しいクリエーションのアイデアを語っていただき、まちづくりに還元できないかと考えています。時代の変化を最も吸収しやすい渋谷の街で、何ができるかを楽しみにしていただきたい」と会場の期待を高めます。
まずは各登壇者より、自己紹介を含めたプレゼンテーションが行われました。
山口さんは導入として、東急とまちづくりの関係から紹介はスタート。
「東急は、田園調布を開発した前身の田園都市株式会社から数えると今年で100周年の会社です。電車とまちづくりの両輪で歩み、20世紀には経済成長に合わせて大きくなってきましたが、21世紀に入り、次世代のまちづくりにチャレンジしています。その際の重要な考え方は、街のサステナビリティを高めること。新しい働き方への関心も強まるなか、特に渋谷では多様な人がどのように働きながら暮らしていくのかを考えています」
渋谷キャストが2017年に開業し、18年、19年、27年と大きな開発が続くなかで、東急は渋谷を“エンタテイメントシティ”と標榜しています。新たな施設が次々と立ち現れる一方で、「地下から地上レベルの都市基盤改造が肝の部分」と語りました。
その一環として、東西南北が分断され、谷間の地形ゆえにヒトの集中と雨に弱い問題を乗り越え、“歩いて楽しい渋谷のゲートウェイ”を創出する構想が実現されようとしています。
さらに山口さんは、渋谷らしい文化に21世紀に入ってからのビジネスとスタートアップが加わったことを指摘。
「街の魅力は多様性と寛容性、登竜門となることがポイントです。今でいえば、ダイバーシティーとインクルージョン。渋谷は、こうした素地があってイノベーションが起きやすい。その受け皿となる産業は、都市観光とクリエイティブコンテンツ産業で、消費と生産が表裏にあることも特徴です」
みんなでつくる街としたいものの、プロセス型のまちづくりの大事さと反面、難しさも挙げられます。「大事なのは生の声を拾い続けて、徐々に結びつけていくこと。“産官学民”連携での課題解決のイノベーションやクリエーションが大切」と話しました。
続けて豊田さんは、最近の活動の様子や関心のありどころを紹介。
まずは渋谷キャストのファサードとランドスケープデザインから解説しました。
「この建物は、室外機置き場が明治通り側に覆う、前代未聞の形態をしています。建物を覆うファサードにはポジティブな要素や機能を持たせ、季節や人の動きに応じて動く樹木のように見えることを考えました。デザイン監修に入ったランドスケープでは、緑地率などの条件から『メタボール』のシステムに落とし込み、風洞実験と照らし合わせて検討するなど、形は恣意的に見えますが、デザイン技術を介さなければできなかったことが入っています」
豊田さんは、情報と物質との境界について実務と実験と合わせて考え、手触りや情報のハプティックを感じられる空間づくりに取り組んでいるのだそう。
建築の制作とデジタルの深い関係を指摘しました。
「建築では、時間やコスト、法律といった高次元の情報を消化してモノに落とし込みます。旧来は平面図や模型で他者と共有し、客観化してモノをつくってきました。デジタル情報やデジタル技術によって、高次元情報を高次元のまま他者と共有してインタラクティブにコミュニケーションし、シミュレーションで展開させることが広がっています。情報のインタラクションとモノが重なるところに、これからの建築と人の生活にシームレスな可能性があると思っています」
例として豊田さんが挙げるのは、Amazonが買収した「キバ」システムによるロボット物流システムです。数え切れないほどのロボットが物流センターの中を移動して在庫を運ぶとき、どのような状態にあるかを人は把握して制御することができません。そうした領域をデザインできる可能性をみる豊田さんは、gluonというコンサルティング会社を立ち上げました。
「自立走行ロボットが建物内部で動くことを前提とした20年後の再開発を考えるときに、僕らは建物のフロアや全体、また街の姿をリアルに考えないといけません。大事なことは、変化を許容すること。コントロールできないことを許容し、変化を前提にしたデザインやコントロールをどうしていくかを今日お話したい」と話します。
齋藤さんも渋谷キャストで自身が関わった、ガーデン壁面や柱のインスタレーション「Axyz」から説明を始めました。
「訪れるたびに異なる見え方をする作品で、今日は燃えるような映像になっていました。いつも建築という無機物を、どう有機的に見せるかを考えています。僕が建築の分野に入ったきっかけは、アーキグラムの〈インスタント・シティ〉という作品を雑誌で見たことです。軽い屋根をかけたサーカスのような都市の姿は、ワクワクさせるものでした。その一方、建築や街を見ていて最近思うのは、商業的な坪単価や賃料、公的なガイドラインが強く定められていると、“しようがないからつくる感”が出て、失敗のもとになるということです。渋谷キャストがいいなと思うのは、必要な人が適材適所で入っていること。渋谷の街には、メンターが圧倒的に足りないと思います。シェアオフィスはたくさんできましたが、人のファシリテーションや、ビジネスを起こしたり人の考え方を変えるような動きはなかなか育っていないように思います」と指摘します。
齋藤さんは「3dcel.(3D City Experience Lab.)」というプロジェクトで、〈Shibuya 3D Underground〉として渋谷駅の地下の3Dレーザー計測を行い、データをダウンロードできるように公開しています。また、1964年の東京の姿を、当時の写真から3Dデータで再現する試み〈1964 TOKYO VR〉も進行しています。
テクノロジーの最前線をいく齋藤さんですが、“人”の視点を大切にしていることが強調されました。
「最終的には、街をつくるのも使うのも人間です。ストリートレベルでどんな施設が入っていて、カフェはどのような雰囲気で、どんな人たちが集まっているかが大事。渋谷はさまざまな面で自分を成長させてくれた街ですが、雑多な部分は再開発で軒並み無くなってしまいました。それでも渋谷は行政と商業的なところと、プラスアルファでつくる人がようやく定着してきているので、熱意や想いといったものを融合できるといいなと思っています」
続くトークセッションでは山本さんより、渋谷で何ができるのかを「技術」と「場所」を組み合わせて話を展開することが提案されました。
具体的には、技術として「センサー(+インターネット:IoT)、人工知能(AI)、自動運転(モビリティシステム)、ロボット、アグリ(農業)、バイオ(生命)」、場所として「渋谷スクランブルスクエア、渋谷スクランブル交差点、渋谷川、奥渋谷(オクシブ)、代々木公園、渋谷区新庁舎・新公会堂」ということになります。 センサーから話を振られた豊田さんの発言から、追っていきたいと思います。
豊田 再開発の建築ではセンサーをリアルに考えないといけません。2035年の再開発では、自立走行が部分的には行われているようになっているでしょう。例えば地下駐車場の内部では限定的に自律走行できるとすると、クルマの詰め方も変わり、駐車場の単位が変わって例えば柱と柱の間が8.2mなどと決まっているものが、かなり自由になります。その上の建物の設計は、現在すでにクリティカルな問題です。
山口 駐車場に関して、渋谷では需給のバランスが正直難しいです。守るべきは小店舗の路上荷捌や緊急車両の通行であり、渋谷でも外環道路が必要ではないかという議論もあります。渋谷駅前の改造が進む中では、バスターミナルやタクシープールといった公共交通の基盤と、地下の車寄せや駐車場を立体的に組み合わせていますが、もっと広域での課題があります。これから需要の変化やルールの見直しに、できるだけ対応できるように仕込んでおくことが、つくる人の務めなのかなと思います。
豊田 「どの駐車場が空いています」と最適化するためにセンサーで広域的に誘導するシステムは、ある程度エリアや行政が入る話ですよね。
山口 確かに広域の課題に繋がり、かつ行政さんにお任せとはいかないので、渋谷駅前では開発が始まる段階でエリアマネジメント組織をつくり、その中で駐車場はどうしようかと検討しています。サービスレベル、また商業連携は、できる限り共通化していこうということです。
齋藤 どのデベロッパーにも話しているのですが、すでに取得している駐車場の利用データを有効活用していないことが気になります。企業ごとに縦割りで、データを共有でプールするような契約ができていないのですね。渋谷ではぜひ、当たり前のこととして公開してほしい。データがないと人工知能を走らせられませんし、人工知能が走らせられないとハプティックのロボットのようなことが成長しませんから。例えばタイでは、交通の有機的な動きを捉えて、BtoBのロジスティクスをすべて地下に埋めようとしています。そうすると人の流れも分かるし、目線を大事にする街になってくれば、「この時間からこの時間までは道路を封鎖しても大丈夫」となる可能性もあります。
山本 人工知能は、単独では機能していないと思いますが、渋谷での可能性はいかがでしょうか。
豊田 先に挙げたAmazonの、ルンバのようなロボットを使った物流システムには、可能性を感じます。高層ビルでは現在、エレベータなどを含むコア(動線や設備などが入る部分)が床面積の半分ほどを占めてしまいます。それが小さなロボットで物を運んで来てもらえるようになると、人の移動に必要なエレベータは半分で済むかもしれません。背も低いので、天井裏にいくらでも走り回らせることができます。渋谷駅の周辺では施設をつなぐブリッジが架けられますが、その既存の構造の隙間なども通すことができる。渋谷は谷状の地形をしているので立体的な再開発となるのは必然で、つなぐシステムも入りやすい。多数のロボットが動くときには、それらのシステム間をメタに制御するためにいわゆるAIも入らざるを得ないでしょう。
山本 地下交通のほか、ブリッジは物流通路として活用できるということですね。
豊田 そうです、通路が天井の裏にあって、その横に倉庫があればいい。そうした技術を前提にして誰かがビジョンを投げかけ、メーカーが企業の枠を越えて一体的に開発することをしなければいけないのですが、それが今はまだ出てきていない。民間企業のR&Dで、もっと見えてくるべきなのではないかと思っています。
山本 特定の場所を対象として実験プロジェクトをするくらいでないと、進まないかもしれませんね。
山口 どうしても再開発となると低層を広くとって縦長のビルができるのですが、ヒカリエで驚いたのは、地下3階の弁当屋さんが割引シールを張った夜8時に上層階からどっと人が降りてくることでした。渋谷では今でも10数万人が働き、それが再開発で更に増えるので、限られた場所でもいいから先を見越した実験をやってみて実証していくのが大事かなと思います。
豊田 人工知能では、地下3階の店ごとに弁当がいくつ売れ残っていて、何時に割引のシールを貼るとどれだけのトラフィックが下に引っ張られて、それが天気によってどう変わるか、といったことは学習できますよね。そのシールを貼るタイミングと貼った弁当情報を、入居するプレミアム会員企業には5分早く教えるといった特典を付けることで、エレベータで生じるボトルネックを解消できるかもしれない。すると、弁当屋さんは他の階でもよいとか、さまざまなことが統合されて物理的な解決にもつながるといったことは、実験やシミュレーション、R&Dの両方で可能なはずです。
齋藤 ヒカリエの円筒形のサイネージもライゾマティクスで手掛けたのですが、地下のイベントをそこで告知しましょうとか、7階の飲食店で空いているところをバナーで自動的に出しましょう、という提案は8年前ほどにしていましたね。 ただ、1店舗ごとに端末を渡してデータを集めることや、POSデータやトラフィック、電気の使用量などを集めることが、なかなかできないのです。本当はインフラ系が最も進んでいるので、やるべきです。やれば、表現などはいくらでも付いてきますから。ただ、僕はBtoBのレベルでは超効率性はビジネスに乗っても、BtoC、要は人がコーヒーを買いに行くようなことはオーギュメーション(データ拡張)的にはならないのではないか、というのが持論です。コーヒーくらい、持ってきてもらわずに自分で買いに行こうよ、と。
やはり人間は身体や重力からは逃れられないし、歩くし、探求するし、間違って迷うし。こうしたことを取り払ったときに、果たして人間は楽しく人生を送ることができるのか、ということですね。ただ、1度はラディカルにしてみないと、どこに閾値(しきいち)があるかわからないので、渋谷ではどんどん実験したほうがいいとは思います。
山口 人の体や気持ちが、すごく大事ですね。先ほどの弁当のような話は、地方の商店街などの課題解決でも始まっていて、フードロスやエネルギー効率の面でいい結果が得られています。とことん効率的にAIの助けを借りていく、そうするともっと時間の使い方自体が楽しくなるとか、逆にリアルにそこに行けば新しいアイデアが生まれやすいというように二極化して街をつくっていければいいなと思います。
齋藤 20世紀は特に後半になって、ものすごく人の欲が大きくなり大量消費を生み出していろんなハレーションが生まれました。今は、最適化の時代に入ったと思います。渋谷でやってほしいのは、経済合理性や人の欲求や知能性といった点から、地に足の着いた実証実験です。
山口 実験して、よかったところを実装していくことがサイクルになり、日本中や世界に普及する、ハブ的な役割は渋谷にハマるでしょうね。ただ、特定のプレイヤーのリソースと組み合わせていけば試せると思うのですが、それがどんどん街に落ちて横へ展開していくにはもう一段ハードルがあります。それを、いろんな人が一つ一つのテーマに対して、それだったら自分たちができるというように、実態的なコンソーシアムが組まれるようになればいいのかと思っています。
豊田 コンソーシアムをつくると、動かないことが多いのですけどね(笑)。
今は誰かがサービスを始めてしまえば、ほかは文句も言えませんし、便利だったら勝手にみんなが集まってくる。体力がある企業から、エンターテイメントでいいのでやってしまうべきではないでしょうか。みんなのコンセンサスをとって調整したうえでやりましょう、と言っているとスピードに乗らないし、できてきたときには面白くなくなっている。渋谷で面白いのは、デベロッパーに関係ない人がたくさんいるからで、ある程度の規模とネットワークが渋谷に実装されて、契約金などなんらかのコミットをして便利なサービスを受けられるとなれば、一気に乗り始めるはずです。
事前に調整するよりも勝手にやり始めるほうが、圧倒的に速いし知見もたまるし、バズるし、やりながら問題も先行して洗い出せるし。そうした勝手に進めてくれるプレイヤーが街にいるほうが、強い街ではないでしょうか。
齋藤 例えばドイツでは、スタートアップが面白い状況なのですね。 データを集めて、インセンティブを付けて勝手にビジネスをしてくださいという姿勢をとっている。これまで日本の都市は明治以降、パリを真似して、ロンドン、ニューヨークを真似して、ときましたが、これからはデータを出していけば、少子高齢化などが起こっている課題先進国の日本が逆に先端になる可能性があります。つまり、これからの渋谷の都市モデルは海外に売れる。ビッグビジネスになるはずで、だからこそ本当に真面目に、できるだけ実装して、いろんな人たちがビジネスとして参画しやすいデータの出し方が重要になってくると思うのです。
山本 海外から学ぶというよりは、むしろ日本から発信すべきということですね。
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割愛した部分もありましたが、予定の時間を超過して白熱した議論が繰り広げられたトークセッションは、いったん締め括られました。
渋谷の特定の場所を取り上げて具体的なアイデアを出していくには、少し時間が足りなかったかもしれません。また、豊田さんと齋藤さんは、渋谷で現在進行中のプロジェクトも抱えていて、詳細に明らかにすることを控えたのかもしれない。このあたりは、今後のトークセッションや実現されるプロジェクトに期待したいところです。しかし、進化するテクノロジーが渋谷の街で実装される姿への期待感を高めるには、十分すぎる内容でした。
最後に、各登壇者から総括が行われました。
山本さんは「公共的な場所を活用する社会実験の取り組みが広がっています。いきなり実装と言うと抵抗がある場合、実験を重ねるところからでもいい。都市の魅力を高めるために、お二人の話に挙がったような新しい挑戦を、具体的な場所を対象につくっていく必要があると思います」と言及。豊田さんは「今は失敗を評価する空気がビジネスや社会から消えている気がしています。失敗をいくつも持っているということが価値になる。そうした雰囲気ができるのは、大手町でも銀座でもなく、渋谷なのだろうなと思います。そうした企画や機会があるといいなと思う」としました。
齋藤さんは「即興的なことも含めて塩梅を加減することに、東急がイニシアティブをとっていただくことに期待しています。今はまちづくりはデベロッパーだけではなく、さまざまな人が絡みます。手の内を隠したまま沈み込むのではなく、実験と実装をきちんと行うモデルを手の内を明かしてつくっていけば、渋谷が海外でもアウトバウンドできるのではないでしょうか」と展望を改めて示し、山口さんは「渋谷では、一見競合同士でも組めるような風土があります。もっと交わり、創発する機会を設ければ、もうひと山越えることができるはず。大人が失敗を恐れずにチャレンジして、次世代を担う若者が成長できるようにしたい」と抱負を語りました。
充実したトークイベントは、名残惜しくも幕を閉じました。最後にco-labの田中さんが述べられたように、このシリーズが続くことを期待し、渋谷がさらに元気になる場所として実現することを楽しみにしています。