ジャーナル
<EVENT REPORT>
それぞれの時間がつむぐ、ほっこりあたたかな冬の風景WINTER CAST.
慌ただしくも、どこか心浮き立つ12月。渋谷の街中もすっかりホリデーの気配に包まれる中、今年も渋谷キャストでは恒例の冬季イベント「WINTER CAST.」を開催しました。
新型コロナウイルスの感染状況も少し落ち着きを見せていた中、今年は恒例のガレージセールに加えて、渋谷キャストの住人によるミニコンサートや、親子でたのしめる体験型アートなど、訪れた人が思い思いにたのしめるコンテンツがいくつも登場しました。
寒空のもと、心地よいにぎわいが生まれたイベントの模様をダイジェストでお届けします。
PHOTOGRAPHS BY Yuka IKENOYA(YUKAI)
渋谷発のクリスマスソング『Shibuya Christmas Carols』を生演奏でお届け!
昨年の冬に配信された、渋谷が舞台のクリスマスソング「Shibuya Christmas Carols」。渋谷キャスト13Fのクリエイター向けコミュニティ「Cift」に暮らすシンガーソングライターの横澤ローラさんが作詞・作曲を手がけ、楽曲はすべて、渋谷で働く人や暮らす人など、街に縁のある人へのインタビューを通じて制作されました。
冬の恒例企画としてこの取り組みを定着させたいという思いから、横澤さんは今年も新たに「My Theater」「Stay Cozy For The Christmas Night」の2曲を制作し、12月から配信を開始しました。12月19日には広場の一角をステージとして、新曲も含めた全5曲と、多くの人に馴染みのあるホリデーのスタンダードソングを生演奏しました。
広場から漏れる心地よい楽曲のメロディーに、思わず歩みを止めて聞き入る人も。横澤さんのやさしい歌声、演奏者のみなさんの和気藹々とした雰囲気は、広場全体を一気にホリデーの空気に染め上げていました。
心おどる、掘り出し物探し。『Local Garage Sale』
12月18日から19日の2日間にわたって開催されたのは、キャットストリートで働くショップ店員のみなさんによるガレージセール。冬物のコートやニット、ビンテージのTシャツなどを中心に、出店者のみなさんのセンスが光るファッションアイテムがずらりと並びました。
一角にはDJブースを設置。広場にはジャズやヒップホップ、懐かしのJ-POPが響きます。大人も子どもも、思い思いに体を揺らして楽しむ光景が印象的でした。
ガレージセールのすぐ横には、キッチンカーも出店。表参道にあるCHOP COFFEEさんは、このイベントのためにスペシャルなおでんメニューを提供してくれました。冷えた身体に染み渡るあの味わいを求め、キッチンカーの前には列ができる場面も。
他にも、純豆腐や焼き芋、飯田市座光寺地区と渋谷区原宿表参道のリンゴをつかってつくられたシードルが購入できるキッチンカーも出店し、訪れた人の小腹を満たしてくれました。
渋谷にいながら「帰省」しよう。『渋谷デザイナーズマーケット』
年の瀬も目前に迫る12月25日から26日の2日間は、「渋谷デザイナーズマーケット」が開催されました。
今年のテーマは「ヴァーチャル帰省」。コロナ禍で迎える2度目の年末年始、実家・地元に帰ることはまだ難しいかもしれないと思う方も多い中、渋谷で帰省したような気持ちになれるようにと、ユニークなコンテンツが多数展開されました。
まず目に入るのは、広場の入り口に設置されたコタツ。渋谷の真ん中に突如現れた実家の居間のような空間に、通りすがる人たちも「コタツだ!」と興味津々。子どもたちが真っ先にかけあがり、くつろぐ姿がほほえましく感じられました。
広場でお馴染みとなったクリエイターによるマーケットでは、思わずクスっと笑ってしまうユーモラスなグッズやアイテムがずらり。他にも、アーティストの平山正尚さんによるスペシャルデザインとシルクスクリーン印刷で年賀状がつくれるブースや、2日間限定で神社を模した鳥居が設置されるなど、いつになくユニークな企画が展開され、広場にはにぎやかな光景がひろがりました。
屋内の多目的スペースへ移動すると、紅白の横断幕が施されたおめでたい空間がひろがります。オリジナルの似顔絵をその場で描いてもらえるブースや、キュートなデコレーションが施されたアクリル板を使って、プリクラのような写真が撮れるスポットなど、こちらも攻めた企画が並びました。
奥のコタツブースにはゆったりくつろいだり、購入した年賀状やポストカードに黙々と何かを書き込んだりする人もいて、まさに「ヴァーチャル帰省」な空間がひろがっていました。
子どもたちの感性がうむ、幻想的な体験型アート『子連れ100人ヒロバ2021 Holiday』
多目的スペースにて、12月22日から24日まで開催されていたのは、「子連れ100人ヒロバ 2021 Holiday」。子どもと親が一緒に参加でき、子育てにまつわる様々なトピックを議論する渋谷キャスト発のイベント「子連れ100人カイギ」が、形を変えてWINTER CAST.にやってきました。
目玉コンテンツは、来場した子どもたちが参加できるアート体験「かげの森」。透けたり、キラキラしたりする紙やビニール、紐など様々な素材を組み合わせて子どもたちが作品をつくり、光で照らして影絵をつくるというものです。子どもたちの力作が会場全体にずらりと並び、幻想的な雰囲気に包まれました。
体験型アートだけではなく、会場の一角には大人もたのしめるブースも。「渋谷子育てmap」には、渋谷一帯の地図に親や子どもたちおすすめのスポットやそれに対するコメントが貼られ、子育て世代にうれしいプチ情報が並んでいました。
広場全体を一層引き立てる、カラフルな空間装飾とイルミネーション
イベント当日は、広場に色鮮やかな装飾がなされました。いたるところに設置されたA看板やスツール、コンサートステージの背景に使用されていたクロスに描かれているのはステッチのモチーフ。これは、今回のイベントのキービジュアルで使われていたもので、人々が街を訪れ、思い思いに時間を過ごしながらゆるやかな関係性が紡がれていくようにと、想いが込められています。
入り口に設置されているパンチングパネルには、雪のマークやツリー、ギザギザ模様など本物のステッチもほどこされ、手ざわり感あるあたたかな印象に。こうした装飾もささやかではありながら、会場全体のあたたかみとにぎわいを引き立てました。
WINTER CAST.会期中、渋谷キャストの広場には大きなツリーも登場。あたたかいイルミネーションの光とともに、毎日みなさまをお迎えしています。
ユニークなコンテンツの雰囲気やDJの方々がつくる一体感、コンサートの音色など、さまざまな要素に誘われて、多くの方々にお立ち寄りいただいた今回の「WINTER CAST.」。
イベント開催日は手もかじかむ寒さだった渋谷ですが、色鮮やかな空間装飾と、訪れた人のにぎわいによって、渋谷キャストは渋谷イチほっこりあたたかな場になっていたはずです。