SHIBUYA CAST./渋谷キャスト

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2024/07/04

個性をわかち合うって楽しい。SHIBUYA DESIGNERS MARKET笑顔の2日間をレポート

渋谷デザイナーズマーケット
個性をわかち合うって楽しい。SHIBUYA DESIGNERS MARKET笑顔の2日間をレポート

「自由を楽しみ、デザインするマーケット」をコンセプトにした「渋谷デザイナーズマーケット(SDM)」。今年で7周年を迎える同イベントが、2024年5月18日(土)、19日(日)の2日間、渋谷キャストの屋外イベントスペース「ガーデン」にて開催されました。


国籍も年代も異なる多様な人たちで賑わう渋谷。今回もそんな街の真ん中に趣向もさまざまなたくさんのクリエイターが集まりました。


作家さんやブースの紹介から、訪れてくれた人たちの様子や初となる公募から参加してくれたクリエイターさんの声まで。色とりどりの写真とともに、当日の様子をレポートします!

 

 

<開催概要>

5/18(土)〜5/19日(日) 「渋谷デザイナーズマーケット」

 

カトウトモカ/カワシマナオト/くずみちゃん/SHUFFLE/ta:id tokyo/Dog Health Club club/南国超級市場 /西田 真魚 Artist / Illustrator /NERIAME /FU /ぺろっぺ/松本康孝/ペーパー・マツモト  /mabo/meme miho/むらいゆうか/モニョチタポミチRino/橋本太郎とナイスガイ編集部/HANDPOWER POTTERY CLUB

 

主催:渋谷キャスト

企画・運営:Camp Inc.

ビジュアル:松本康孝

デザイン:橋本太郎

お客さんもクリエイターも、いっしょになって自由を楽しむ場所


レポートを始める前に、まずは本イベントについておさらいをしておきましょう。「渋谷デザイナーズマーケット」は渋谷キャストが主催するイベント。施設のコンセプト「Share The Creative Life」が示すとおり、つくり手も来場者もそれぞれがクリエイティビティを発揮しながら、自由を楽しむイベントとして、渋谷キャスト開業時から回を重ねてきました。

 

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渋谷キャスト開業記念の催しとして始まった、「渋谷デザイナーズマーケット」。当初はクリエイターズマーケット自体めずらしいものでした。


記念すべき第1回が行われたのは2017年のこと。ぱっと目を引く黄色いパラソルと、渋谷では希少なオープンスペースでくつろぐお客さん、この場を体現する「自由を楽しみ、デザインする」というメッセージは当初からずっと変わりません。


SDMの魅力をペーパークラフトで表現! 松本康孝さんによるイベントキービジュアル


さっそく本イベントをレポートしてまいりましょう。お天気も5月らしい晴れ間で、絶好のイベント日和です。まず会場入り口では、開催ごとにオリジナルで制作されるキービジュアルのポスターがお出迎え。

 

画像足を止めて看板を撮影する来場者の姿も見られました

 

今回のキービジュアルを制作いただいたのはペーパーアーティストの松本康孝さん。CGかと見まごう精緻なつくりと温かみを感じさせるキャラクターの表情で、クリエイターと来場者が楽しく交流する様子がペーパークラフトで見事に表現されています。


そんなキービジュアルの効果もあってか、会場になっている渋谷キャストのガーデンには、お目当てのブースに遊びに来た人だけでなく、明治通りを歩いている人が絶えず会場にすい込まれていました。作品を手にとったり出展者と話したりと、楽しみ方はさまざまです。

 

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グラフィック、ハンドクラフト、アパレルなど多様なジャンルのクリエイターが集結

 

ここからは、今回出展してくださったクリエイターの方々のブースを、作品とともにご紹介します。


松本康孝/ペーパーマツモト

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画像キービジュアルの制作をした松本康孝さんは、ペーパークラフトでつくられたアクセサリーを販売。ポップな色合いのアクセサリーは、木に紙を貼り特殊な加工をしたものなのだそう。

 

画像ブース手前にはキービジュアルに登場したペーパークラフトの実物が。かわいい!

 

 

SHUFFLE

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さまざまなクリエイターや作家とつながるお店を早稲田に持つSHUFFLEさん。個性的な古本やZINE、ぬいぐるみ作品、トートバッグなどを販売。どれも一癖ある個性がたまらないセレクト。取り扱う作家さんの作品を目当てに駆けつけたファンの方もいらっしゃいました。


カトウトモカ

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画像イラストレーターのカトウトモカさんのブースでは「えらんでつくるキーホルダー」が目玉。人物、アイテム、図形のカラフルなパーツをひとつずつ選んでオリジナルキーホルダーがつくれるというものだそう。大きな瞳と有機的な線で描く「似ない似顔絵」は外国人の方にも「SO CUTE!」と大人気でした。


南国超級市場

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画像カラフルな雑貨がひときわ目を引く台湾出身の南国超級市場さん。アクリルのキーホルダーに描かれた図柄のモチーフとなっているのはなんと、ひらがな。彼女はふだんデザイナーとしても活躍されていて、そのフォルムにおもしろさを感じて作品にしたのだそう。人気のひらがなのなかには完売したものもありました。文字を形で選ぶ体験がおもしろかったです。


ta:id tokyo

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華やかな色合いで来た人を楽しませてくれたのは、ta:id tokyoさんがセレクトした小物の数々。なんとも言えない犬の表情がキュートなヘアクリップなどは海外から輸入したもので、ここでしか出会えないレアな品物です。一期一会のお買い物を楽しめるのがこうしたマーケットならではの楽しみですね。


カワシマナオト

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画像野外のイベントと言えばビールでしょ! そんな気分の方には、カワシマナオトさんのTシャツがおすすめ。一見シンプルなTシャツかと思いきやバックプリントが大胆なのです。ほかにもカワシマさんはご自身のイラストをモチーフにした商品を販売。クスっと笑えるユーモアが光る雑貨も、やっぱりビール片手にゆるゆると会場をまわる方々が楽しそうに手に取っていました。


NERIAME

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画像お弁当箱......?  と思いきや、中に入っているのはTシャツです。斬新なデザインで驚かせてくれたのはNERIAMEさん。斬新さだけでなく、すべての商品が型紙から起こしてつくった完全オリジナルという実力派。細部へのこだわりとメッセージに思わず足を止める人が続出していました。


mabo

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画像ナチュラルで繊細な線のイラストと、ほっこりしたかわいらしさが特徴の立体作品を展示していたのはmaboさん。その人らしさを捉えながらもmaboさんの画風が活きた似顔絵も人気でした。ディスプレイを試行錯誤したとお話しされていただけあって、いろとりどりの作品の魅力が伝わるブースです。


くずみちゃん

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「だめだめでもいいじゃない!」がコンセプトのぬいぐるみはいかが? 一つひとつ手縫いで仕上げられたぬいぐるみやポーチを売っているのはくずみちゃんさん。なんとも言えない優しい手触りと表情に恋に落ちる人が多数。手縫いだけあってどれも表情が微妙に異なり、どれかひとつを選ぶのは至難の業です。


FU

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画像ふだんデザイナーとして平面作品やリソグラフのディレクションをしているというFUさんの作品は、平面と立体を行き来する感覚が癖になります。立体作品をはじめ、「類推」を意味するANALOGIAをテーマに制作した立体を撮影することでつくったポスターは、どこに飾っても様になりそう。


西田真魚

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イラストレーターの西田真魚さんのブースでは、「PORTRAIT DRAWING」のために予約したお客さまが絶えませんでした。特徴をしっかり捉え、迷いなく引かれる線に、その人の性格が表されているかのような表情と色使い。描いているところを思わず覗き込むオーディエンスもたくさんいました。「LOVE&BEER」がテーマのポストカードなどのグッズも大人気。

 


ぺろっぺ

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ブースを回っているお客さんのカバンに何やら可愛いキャラクターを発見。ぺろっぺのブースには、「ニンゲンの《言葉にできない感情》が形になった生き物」ぺろっぺと、そのおとものごましおのキーホルダーやグッズがところせましと並んでいます。マグカップなどのグッズはお子さまにも人気でした。


Dog Health Club

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画像Dog Health Clubという名前が気になって足を止めたのはこのブース。犬のフリー素材を使った写真集やグッズを販売しています。「人間には肖像権があるけれど、犬には?」という疑問をコンセプトにした作品を一度見ると、フリー素材の犬への見方が変わるかも。洗練されたアイロニカルなデザインがコンセプトをより強いものにしています。


meme miho

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「ちょっと特別な日になるような絵やグッズ」を作っているmeme mihoさんのブースは犬と猫をモチーフにしたカラフルな作品でいっぱいです。動物が好きだと語るmeme mihoさんの描く犬や猫は幸せそうな顔をしていて、たいせつな誰かにプレゼントしたくなります。種類豊富なタトゥーシールやハンカチなども。


モニョチタポミチ

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モニョチタポミチさんのブースの真ん中で注目を集めていたのは「ぎょうざの妖精」、ぎょうざちゃん。デザイン・監修したというぎょうざちゃんのマスコットぬいぐるみやガチャガチャ、最近出版した絵本『のっけてみたの』など幅広い作品を販売。そのかわいらしいデザインは、お子さんだけでなくたくさんの方に人気でした。


むらいゆうか

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画像渋谷と言えばギャルの聖地。「GAL似顔絵」やパーツを選べるアクセサリーが人気だったのはむらいゆうかさんのブースです。好きな服を着てメイクを楽しんで、思いっきり遊ぶギャルマインドが伝わったのか、お子さんが絶えず遊びに来ていました。親子で真剣にパーツを選んだアクセサリーは宝物になりそうです。


POWER POTTERY CLUB(Takumi Morohashi)

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転写するデザインを選んでオリジナルの焼き物をつくれたり、粘土を使って一から好きなものをつくれる陶芸教室が出現、その名も「HAND POWER POTTERY CLUB」です。手でかたちを決めていく陶芸のプロセスにインスパイアされたという名前の通り、転写用のデザインにはハンドパワーをモチーフにしたものが多々。茶碗やれんげなどをつくるために自身のブースから遊びにくる出展者の方も。

 

橋本太郎とナイスガイ編集部画像

 

画像ロボTや冊子『泣ける過去問』、「粗悪品を大放出」と書かれた気になるエコバッグなどのグッズが目を引くのは、本イベントのデザインも担当した橋本太郎さん率いる、橋本太郎とナイスガイ編集部。「有益な情報を一切掲載しないこと」をコンセプトに制作してきたZINEやグッズが笑いを誘います。


広がる渋谷デザイナーズマーケットの輪

 

SDMの醍醐味は、ジャンルの垣根を超えた若手クリエイターの多様な“デザイン”が集うこと。その幅をさらに広げるべく、今回はイベント初の試みとして公募を実施しました。ここからは、初出展したみなさんにお話を聞いてみました。

 

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南国超級市場さんは、1ヶ月前に独立したばかり。「独立したからには、まずはやりたいことをやろうとイベントへの応募を決めました。たくさんの人が訪れてくださり、作品のモチーフにしているひらがなの魅力を感じてくれたのがうれしかったです」

 

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画風を存分に生かした似顔絵が人気のカトウトモカさん。「好きな作家さんがたくさん出展しているイベントに出られてとても楽しいです。海外の方をはじめ、初めて作品を見てくださる方がいてとてもいい経験になりました」


クリエイターと特別な時間をわかち合う

 

本イベントを訪れた人たちからお話を聞こうと会場をぐるりと見渡すと、何を買おうか迷っている人、クリエイターと話をする人の笑顔でいっぱい。

 

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会場にいるみんなが、ユニークな作品やあらたなクリエイションとの出会いを楽しんでいるのが伝わってきて、こちらまで頬がゆるみます。

 

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meme mihoさんのタトゥーシールを購入したばかりの方に感想を聞いてみました。オーストラリアから日本を訪れて、Instagramの広告を見て遊びに来たという3人組。

 

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「すべて個性的ですてきな作品ばかりでした。すごくクールなイベントね! 中でも気に入ったこのタトゥーシールを購入してみました。デザインがお気に入りです」

 

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西田真魚さんの「PORTRAIT DRAWING」を終えたばかりの女性は、西田さんを目当てにこのイベントを訪れたのだそう。「今日は初めて自分ひとりを『PORTRAIT DRAWING』で描いていただきました。とても特別な気分です。作家さんに会いにきましたが、いろいろな方がおもしろいものを出展していて、会場を歩いているだけで楽しい気持ちになりました」


自由を楽しみ、創造を身近に。SDMはこれからも続きます

 

クリエイターと作品の話をしたり、いっしょに商品を選んだり。普段はなかなかできないコミュニケーションや距離の近さが印象的だった渋谷デザイナーズマーケット。年を重ねるごとにすこしずつアップデートをされながら行われてきましたが、根幹にある人々の距離感や、この場所に流れる自由を楽しむ空気はずっと変わっていません。

 

今回も、SNSなどで作品を知って、この日初めてクリエイターと話をしたという人の喜びや、海外から日本を訪れた方に作品を見てもらい喜んでいるクリエイターの方々の笑顔が会場中にあふれていました。クリエイティブを分かち合うって、やっぱり楽しい。来場者の方が持ち帰った作品や思い出が特別なものになったことを確信した2日間でした。


今回会場に足を運んでくれた方、出展したクリエイターの方はもちろん、この記事でこのイベントを知ってくださった方も。「渋谷デザイナーズマーケット」はこれからも、まだ見ぬすてきな作品との出会いをつくり続けます。次の開催は2024年7月6日(土)と7月7日(日)の2日間。またここ、渋谷キャストでお会いできることを楽しみにしています!

 

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詳細はこちら

https://shibuyacast.jp/event/detail/?cd=000160

 

 

 

CREDIT

執筆・撮影:出川光

編集:横田大、須藤翔(Camp Inc.)

デザイン:山下舞、植木駿(Camp Inc.)