SHIBUYA CAST./渋谷キャスト

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JOURNAL

ジャーナル

EVENT
2025/11/06

大人も子どもも輪の中に。「BON CAST. 2025」がつくる渋谷の“ローカル”

大人も子どもも輪の中に。「BON CAST. 2025」がつくる渋谷の“ローカル”

2025年8月8日(金)、渋谷キャストの夏の恒例行事となった「BON CAST.2025」が開催。暑い日差しのなか、明治通りを横目に多くの人々が盆踊りを楽しみました。


渋谷で暮らす人々や働く人々、お買い物ついでに通りがかった人から、遠くから盆踊りのために駆けつけてくれた盆踊りファンまで。さまざまな人が集まったイベントの様子や遊びに来てくれたみなさんの様子を、写真とともにお伝えします。

 

<開催概要>

8/8(金)16:00〜20:00 「BON CAST.」


主催:渋谷キャスト

出演・出店:晴盆、DJデッカチャン、夢咲あいり、あかん坊、オノマトペル 

盆踊りを心待ちに、明るいうちから続々と集合

 

まだまだ日差しの強い夕方4時。渋谷キャストの広場(ガーデン)に設置されたやぐらのまわりに、だんだんと人が集まってきました。浴衣を着た人や仕事帰りのような装いの人、近所に住む子どもたちまで、みんなが楽しげにやぐらを見上げていると、昨年のBON CAST.を盛り上げたお笑い芸人・あかん坊さんがMCとして登場。明治通りの対岸まで届くほど、高らかで元気な二人の掛け声でイベントがスタートします。

 

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東横のれん街のマスコットキャラクター「東横ハチ公くん」も駆けつけてくれました


会場にはやぐらの周り以外にも、縁日ブースで遊ぶ子どもたちの姿や、涼を求めてかき氷の列に並ぶ大人たちの姿が。盆踊りの開始を待ちきれず早めに訪れた人々も、思い思いの時間を過ごしていました。

 

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夏祭りの定番・スーパーボールすくい。子どもたちの真剣な背中を見守ります

 

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強い日差しに照らされながら、かき氷を求めて並ぶ人々

 

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世田谷で完全予約制のかき氷屋さんを営むfuwariのかき氷屋さんが、キッチンカーで登場。紫蘇の爽やかな酸味を感じる「紫蘇ミルク味」を食べればちょっぴり涼しい気分に。「実は、今日のイベント用に食べられるハチマキを用意したんです」と、遊び心も添えてくれました

 

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すっかり楽しんでいる様子の大人たち。盆踊りを待たずに、夏の夜の宴ははじまっていました

 

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会場の中央、やぐらの真下に鎮座するこの太鼓。例年を知る方は見覚えがあるのではないでしょうか。叩くと音と光が弾けるこの“デジタル太鼓”は、伝統的な盆踊りの様子を、デジタルテクノロジーによって渋谷らしく再現したBON CAST.を盛り上げてくれるアイテムの一つです。


大人が叩いたり、子どもが叩いたり。気ままに鳴るデジタル太鼓の音をBGMに、盆踊りがはじまるまでの時間はすぐに過ぎていきました。

 

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盆踊りがスタートする17時を目前に、会場にはちんどん屋さんが賑やかな音色とともに登場。「スクランブルちんどん屋」のみなさんが、展望施設「SHIBUYA SKY(渋⾕スカイ)」で開催される夏祭りイベント「SHIBUYA SKY 天空の盆踊り」(2025年度イベントは終了)の宣伝をしていきます。

 

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渋谷のお祭りを宣伝しながら、会場を賑わせてくれたちんどん屋のみなさん。彼女たちのおかげでやぐらの周りに人だかりができ始めたところで、いよいよ盆踊りがスタートします。

 

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やぐらの上には、昨年に引き続きMCを務めるアイドル・夢咲あいりさんと、“盆踊らー”晴盆さんが登場! 盆踊り講師としても活動する晴盆さんみずから振り付けのレクチャーをしてくれます。


最初に流れたのは、「炭坑節」。炭鉱で働く人々の労働の様子が再現されているという振り付けの、一つひとつに込められた意味に触れながら、はじめての方や海外からのお客さまにも向けて、丁寧にお手本を見せてくれました。

 

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慣れた手つきの着物の方から、見よう見まねに踊る普段着の方々まで。気がつけばやぐらの周りには大きな人の円が出来ていきます。

 

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やぐら上のお二人も、踊りに熱がこもります

 

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晴盆さんのレクチャーとともに、曲目が移り変わっていきます。炭坑節の次に流れたのは、「東京音頭」。

 

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明るいうちから、大きな円をつくって踊る人々。もちろんここは渋谷のどまんなか。音と人の輪に引き寄せられるように、いろんな人が集まってきます。

 

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オレンジ色の道着を着こなすこちらの方は、日本に住んで3年。声をかけてみると、「盆踊りを踊るのははじめて」とのこと。前の道を歩いていたら音が聞こえてきて、勇気を出して輪に加わってくれたそう。ひととおり踊ったあと、照れくさそうにご友人たちのそばに戻っていくキュートな姿がとても印象的でした。

 

踊りだけじゃない! 祭りを盛り上げるユニークな縁日


実は、先ほど紹介したかき氷やスーパーボールすくいのほかにも、さまざまなコンテンツがちりばめられているBON CAST.。こどもから大人まで楽しめる出店をご紹介します。

 

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まずは、昨年に続き出店された、お面づくりのコーナー。ペーパーアーティストの松本康孝さんが考案したキラキラのお面を楽しげにつくる子どもたちがそこにいました。

 

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キラキラのお面にシールを貼って、自分だけのオリジナルデザインに。

 

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ちょっぴり背伸びしたおめかしができる出店も。大階段の下、お面づくりワークショップのとなりには、 暗闇で光る「蓄光ネイル」や「蓄光タトゥーシール」のワークショップが。盆踊りの輪に加わる前に、お祭り気分を盛り上げることができました。

 

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腕には蓄光タトゥーシール、爪に蓄光ネイルと、フル装備を楽しむお子さんも。踊りながらチラリと手を見れば、夏の夜が一層楽しくなりますね。

 

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さらに、休憩場所を兼ねた屋内にある多目的ホール(スペース)に展示されたのは、大画面を使った体験型の「デジタルスプレーアート」。「Graffiti+」さん が提供するこちらは、スプレー型のコントローラーを使ってデジタルの壁に自由にグラフィティが描けるもの。

 

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子どもだけでなく、大人も思い思いにスプレーを振るって楽しんでいました


実は、こうした縁日に出店してくれた面々の中には渋谷CAST内に拠点を構えるクリエイター専用のコラボレーション・シェアオフィス「co-lab」のメンバーも。店舗からオフィス、住居までさまざまな側面を持つ渋谷CASTの特徴は、さまざまな入居者がいること。そんなみなさんも、盆踊りの夜をもりあげるべく前のめりに楽しんでくれていました。

 

 

渋谷の街に生まれた「ローカル」な夜


気がつけば、あたりはすっかり夜に。暗いなか、やぐらを照らす煌々とした明かりに人々が集まります。少しの休憩を挟んだ後半は、音楽ユニット「オノマトペル」さんのライブ演奏からスタート。ジャズの要素と共にアレンジされた音楽で、盆踊りを踊ります。

 

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美しい歌声で「炭坑節」を歌ってくれたのは、オノマトペルのシンガー・横沢ローラさん。「ダンシングクイーン」、ジャジーに歌い上げる「東京音頭」と曲は移り変わり、「東京音頭と同じ振り付けで踊ってください」と、オリジナル曲も披露してくれた。

 

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やぐら上には再び、晴盆さんの姿も。楽しそうに踊り続けます

 

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白と紫のお着物を着こなし、ひときわ楽しそうに踊られていたのはハネナシさん(踊りネーム*)。「今日は港北区(横浜市)の盆踊り大会と、こちらのどちらに来るのか悩んだのだけど、はじめてのイベントにもチャレンジしてみたくて」と、お住まいの横浜からはるばる渋谷キャストへ踊りに来てくれた。「ずっとやっていた日本舞踊は首の怪我で踊れなくなったんだけど、盆踊りなら踊れるんじゃないかって」と、ご自分のペースで踊れる盆踊りを楽しんでいる様子。「踊る阿呆です〜」と上品に笑う姿がとても素敵でした。


*踊りネーム……盆踊りを楽しむコミュニティで使われている活動名

 

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MCとして登場した夢咲あいりさんも、パフォーマンスを披露。みんなが知っている歌を歌いながら、会場を盛り上げます。

 

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演目の間は、子どもたちの太鼓タイム。夜だとより一層輝きます

 

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最後に登場したのは、昨年もこの会場を盛り上げてくれたDJデッカチャン。お馴染みの「気づいちゃった気づいちゃった!」をコールアンドレスポンスにやぐらの周りを盛り上げ、誰もが知ってるアニメ主題歌や往年のJ-POPを盆踊りのBPMにアレンジ。踊れる時間を生み出します。

 

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夜になってさらに大きくなっていく盆踊りの輪。誰でもいつでも混ざってOKで、抜けてひと休みしても大丈夫。気軽に参加できる様子は、関わりしろの多い渋谷キャストの空気を象徴しているような気がしました。

 

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最後にはこれまで出演してくれたMCの3人やちんどん屋さん、「東横のれん街」のマスコットキャラクターである東横ハチ公くんまでがやぐらの下に大集合。みんなで息を切らしながら迎えた大団円のあとには、大きな拍手が残りました。

 

正直、取材をするまで、「ローカルのお祭り」という印象を強く持っていた盆踊りでしたが、踊る人たちに話しかけてみると、近くに住んでるという方、すぐそばで働いてるという方も大勢いらっしゃいました。なかには「ああ、⚪︎⚪︎さんも来てたんですね!」なんて挨拶が、盆踊りの輪で交わされているシーンも。

 

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土地にひもづくお祭りと、祭りにひもづく人付き合いがたしかにあったBON CAST. 。渋谷のどまんなかにだって人と人、人と土地をつなぐ「ローカル」のようなものは生まれるんだ、と感じられる夜でした。


来年もきっと開催される盆踊り。「去年はこんなことあったよね」なんて会話が生まれるたび、キャストはみんなの思い出の場所になっていくのかもしれません。

 

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CREDIT

執筆:乾隼人

撮影:須藤翔(Camp Inc.)

編集:横田大、須藤翔(Camp Inc.)

デザイン:山下舞、植木駿(Camp Inc.)