SHIBUYA CAST./渋谷キャスト

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PEOPLE
2017/10/17
CAST People#5

“世界を旅した肉屋”が渋谷でレストランを始めたら

関根聖和さん THE RIGOLETTO 店長
“世界を旅した肉屋”が渋谷でレストランを始めたら

“スパニッシュイタリアン”という新ジャンルをつくり上げ、1店舗ごとにその街にあったスタイルで展開してきたRIGOLETTO。その集大成となる11店舗目が渋谷キャストにオープンした「THE RIGOLETTO」です。RIGOLETTOブランド最大の面積を誇るこの店舗は、渋谷キャストの中でもひときわ存在感を放っています。そのコンセプトをはじめ、メニューや内装のこだわりなど、徹底した店づくりについて、店長の関根聖和さんに話を伺いました。

 

PHOTOGRAPHS BY Yuka IKENOYA (YUKAI)
TEXT BY Atsumi NAKAZATO

日本各地に展開してきたRIGOLETTOが、渋谷の街を選んだ理由

 

自家製ピッツアや生パスタなど王道のイタリアンに、多様な食文化を持つスペインの地中海料理を取り入れたスパニッシュイタリアンを提供するカジュアルダイニング、RIGOLETTO。2006年にオープンした吉祥寺の「Cafe RIGOLETTO」を皮切りに、店舗ごとにその街にあったコンセプトで各地に展開してきました。そして、11店舗目としてオープンしたのが、渋谷キャストの「THE RIGOLETTO」です。なぜ渋谷の街を選んだのでしょうか。

 

「渋谷は、100年に一度と呼ばれる大規模な再開発によって変化を遂げています。その一つが渋谷と原宿の間にある渋谷キャストです。私たちの店は、“長く続けて街の資産になる”ことを大事に考えています。そこで長い目で見て、渋谷の街の価値や可能性を感じたことで、ここに出店することを決めました」

 

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実際にオープンした今、渋谷の街に出店したもう一つの意味を実感しているそうです。

 

「渋谷っていろんな路線の中心にありますよね。RIGOLETTOの他の店舗は、六本木、中目黒、銀座、丸の内などにあるんですが、ほとんどが路線でつながってるんです。だから他店舗のスタッフが遊びに来てくれることも多くて、人が集まりやすい貴重な街なのかなと。これまで培ってきたRIGOLETTOの店をいま渋谷につくったのは、“みんなが集まる場所だったから”という意味もあるのかなと思っています」

 

 

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パワーあふれる渋谷の店だからこそ、肉をコンセプトに

 

渋谷キャストのお店のコンセプトは、“世界を旅したグルメな肉屋がリゴレットを始めたら”。“街の肉屋”がRIGOLETTOを切り盛りしているというイメージのもと、日本各地及び世界中から厳選した肉をあらゆる調理法で仕上げ、RIGOLETTOスタイルで表現しています。例えば、肉屋でおなじみのメンチカツや、洋風モツ煮込みのカジョス、滑らかな肉質にこだわった牛肉のタルタル、ジューシーなステーキなど多彩な肉料理がそろっています。
渋谷の店で肉をコンセプトにした理由について、関根さんはこう語ります。

 

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「渋谷は若者のトレンドの発信地でパワーのある街。ならば、やっぱりメインで提供するのは肉だろうと。“渋谷の街のパワーに負けないように!”という思いが込められています」

 

中でも、関根さんのおすすめが「RIGOLETTOブッチャーのグリル・ミートプラッター」。当日おすすめの肉を100gずつ盛り合わせたプレートで、3種類と5種類から選べます。付け合わせには季節の焼き野菜と、自家製の粒マスタード、唐辛子をベースにした地中海生まれの調味料・アリッサ。どれも肉のおいしさを引き立ててくれます。

 

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肉料理以外にも、300円から楽しめるスペインの小皿料理タパス、400℃の高温に熱せられた薪釜で焼く本場さながらのナポリピッツア、オリジナルブレンドのデュラムセモリナ粉で毎日打つ手打ちパスタなど、RIGOLETTOを代表する従来のメニューも健在です。

 

「ドリンク、料理ともにメニューはこれからどんどん変わっていきます。特に料理は今バリエーションを増やしているところです」

 

なるべく既製品は使わず、ほぼすべてを一から調理。化学調味料も不使用で、素材の味わいを生かしたからだにやさしいメニューにこだわっています。「スタッフが自信を持ってお客様に料理やドリンクを提供できるようにしたい。そのためには、目に見えない部分まで徹底することが大切なんです」と関根さんは話します。

 

さらには、2017年1月、RIGOLETTOを運営する「HUGE」のコーポレートソムリエに就任した日本ソムリエ協会副会長の石田博氏が、同店のために選定したプレミアムワインリストも用意されています。

 

「世界を飛び回っている石田さんが、世界のトレンドを捉えたワインリストを特別につくってくださいました。このワインリストを目当てに来店される方もいらっしゃるほど、ひそかに注目を集めているんですよ」

 

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また渋谷店限定として、RIGOLETTOオリジナルのボトルカクテルも。こちらはモヒート、モスコミュール、ジントニックの3種類。スタンディングバーで、気軽に一杯を楽しむことができます。

 


新鮮な驚きをもたらす、長く愛されるインテリア

 

渋谷駅近くにありながら、2フロアにわたる店舗の面積は約216坪と圧巻の広さ。通常のテーブルのほか、カウンター、ソファー、個室、テラスがあり、あわせて265席にのぼります。気分や目的に合わせて多様な楽しみ方ができるのが空間づくりのポイントです。

 

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カジュアルにもフォーマルにも似合う、ゴージャスで洗練されたインテリア。店内を奥へと進むごとに、壁、床、天井とさまざまな発見があります。特に外からも目を惹く巨大なワインセラーや、オペラ「RIGOLETTO」の歌詞が描かれたネオンは、とてもフォトジェニック。こうしたインテリアを一目見るだけでも、訪れる価値がありそうです。

 

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「実際に建築関係の方々もよく見に来られます。ここはRIGOLETTOブランドの店舗の集大成のような、さまざまなこだわりをすべて盛り込んだまさに夢の空間。一切の妥協なく、長く愛される空間をめざしてつくられました」

 

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お客様だけでなく、ここで働きたい人が集まる店にしたい

 

「大人が日常使いできるクオリティの高いカジュアルダイニング」を掲げるRIGOLETTO。空間は洗練された雰囲気をまといながらも、ランチタイムはひとり客や家族連れなど、カジュアルなシーンで多く利用されています。特に大きなソファが並ぶテラス席は、ベビーカーの子ども連れやペットを連れたお客さんもくつろいで食事を楽しむことができ、人気なのだそう。さらにスタッフの活気と明るさが、気軽に入りやすい雰囲気をつくっているようです。
一方、夜は大人のグループが多く、昼夜でうまく使い分けられています。

 

「RIGOLETTOは“カジュアルダイニング”なので、価格帯は一般的な居酒屋と変わりません。でも、カジュアルだけどサービスのクオリティは落とさず、“ちゃんとしている”ことをめざしています。料理もドリンクも注文を受ければ、適正な時間、クオリティで提供する。そんな当たり前のことをちゃんとやっていこうと。これが大きなポイントです」

 

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関根さんはこれまで丸の内、品川、沖縄と3つの店舗の立ち上げに携わり、渋谷の「THE RIGOLETTO」が4店舗目。この店の客層について、どこにも増して幅広いと感じています。

 

「元気な若者が多いのかなと思っていたんですが、渋谷に長年住んでいらっしゃるご年配のお客様もたくさん来られています。そうかと思えば、トレンドの先端を走っているような、尖った人たちもたくさんいらっしゃって、とっても幅広いですね」

 

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オープン時から定期的に通ってくれる常連のお客さんも増えてきたそうです。また、さまざまな出会いを通して渋谷の街の力を感じています。

 

「沖縄の店にいた頃のお客様がオープン祝いで来てくださったり、長年会っていなかった地元の友人に偶然会ったり。渋谷ってみんなが集まるところなんだなというのを、こんなところからも感じています。これこそ、街の力ですね」

 

オープン当初はRIGOLETTOファンが続々と足を運び、大盛況でスタートを切りました。ここ最近は、スタッフもこの場所に慣れ始め、地に足をつけたチームづくりに本腰を入れようとしています。

 

「毎日お客様で埋まる店が最大の目標ですが、お客様だけでなく、ここで働きたいという人が、店のパワーに惹かれて集まってくるような雰囲気をつくっていきたい。そしてたくさんのスタッフがここで成長し、ゆくゆくは街の資産になれる店をめざしていきます」

 

渋谷の再開発とともに、変化と成長を続け、“街のスタンダード”として根付いていく店になっていきそうです。

 

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