SHIBUYA CAST./渋谷キャスト

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CAST WALL
2023/09/29

PLAY CAST WALL
公募プロジェクト『PLAY CAST WALL』入選作品まとめレポート

さまざまなクリエイティビティが集い、新しいアイデアやビジネスを誘発する「渋谷キャスト」。映像業界やアート業界での活躍を目指されている方のクリエイティブが、少しでも多くの方の目に触れる機会を増やし、そのチャレンジを応援する事を目的に始動した『PLAY CAST WALL』ですが、2023年の3月から5月にかけて、G階共有部廊下1か所にて、スポットライト型プロジェクター「スペースプレイヤー」にて4つの入選作品が投影されました。ここでは作品紹介と作品に込められた想いなどをご紹介します。

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(投影の様子)

 


『遠くの街MV』/UTRA

 

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一つ目の入選作品は『遠くの街MV』。メランコリックな雰囲気のなか、男性が渋谷のまちをひとりゆっくり歩いています。進むその先には、大都会、住宅街、湾岸、さまざまな景色が映し出されます。「君が住んでいる街は、僕には広すぎて、今日もいつもの景色をぼんやり眺めている」そんなリリックが耳と心に残り、思わず男性の動きを追ってしまう。そんな魅力的なミュージックビデオです。


●(応募者名)「UTRA」
●(作品タイトル)『遠くの街 MV』
●(テーマ)「渋谷」「まち」
●(作品への想い)not smooth
●(応募者コメント)「自分が制作している音楽と映像のプロジェクト「UTRA」の楽曲のミュージックビデオです。音楽制作、映像制作全ての工程を行っています。楽曲のムードに合わせて、映像もローファイで陰鬱な質感を狙いました」

 

 

 

『タラモアヘ49夜』/坂田貴大

 

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二つ目の入選作品は『タラモアヘ49夜』。前編モノクロームの本作は、東京・渋谷の街の景色が忙しなく映し出されるなか、誰かを待っているかのように、ぽつんと孤独を抱えていそうな男性が登場します。いつもの街が、その時の自分の心象風景によってまったく流れる時間が変わる。そんないつか経験したことのある記憶を思い起こしてくれる素敵な作品です。


●(応募者名)「坂田貴大」
●(作品タイトル)『タラモアヘ49夜』
●(テーマ)東京渋谷スクランブル交差点。
過去の忘れられない女性をあてもなく待つ男。
男は、家からスーツケース1つ転がし、渋谷のホテルに泊まり込む。
ホテルと待ち合わせの場所、スクランブル交差点をコツコツと革靴を鳴らしながら往復する。
しかし、待っていた女性はやってこない。
と、そこに、時を同じくして誰かを待ち続ける女性の姿があったー。
●(作品への想い)「訪れる人は何かの用事に追われどこか忙しなく感じられる渋谷という街を、ただ人を待つ男、据え置いたカメラを通してじっくり観察した映画となりました」
●(応募者コメント)「渋谷という街には、誰しもが何かしらの目的を持ち訪れ、忙しなく人々が行き交います。その中で、「待つ」という動きのない行為をどこまで、じっと捉えられるかというところにまず初めに着目しました。あらゆる渋谷の歩道の端から、マスクを着けた人々、立ち並ぶ建物の中に、呑み込まれていってしまいそうな男の存在を、固定カメラで、じっくりと抑えていくことに重点を置き撮影をしました」

 

 

 

『行こう、渋谷へ』/網倉まり子

 

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三つ目の入選作品は『行こう、渋谷へ』。朝、アラームが鳴ると、学校、バイト、SNSなどスマホに表示されるたくさんのタスク。でも、電車に乗って退屈な現代社会を抜け出し、一歩渋谷に足を踏み入れたら、新たな人や物との刺激的な出会いが待っている。そんな渋谷の魅力をなんだかちょっと懐かしい、レトロでポップな雰囲気とともに紹介している映像作品です。


●(応募者名)「網倉まり子」
●(作品タイトル)『行こう、渋谷へ』
●(テーマ)「退屈な日常を飛び出して、渋谷に行こう」
●(作品への想い)「私にとって渋谷は新しいものに出会える場所です。その渋谷をニューレトロなイメージで表現してみました。」
●(応募者コメント)「この作品はニューレトロを意識して作成しました。スマホや街並みなどは近代的な一方で、コンピューターや電車の紙チケットなど少し古い要素も盛り込みました。色味も現実からは少し遠がかったビビットカラーを使いました。ニューレトロというジャンルの新しいものと古いものが合わさっている点がいろいろな種類の店や施設が集中している渋谷と似ていると感じ、ニューレトロでポップな映像に仕上げました。」

 

 

 

『open your sense』/野副 安友子

 

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四つ目の入選作品は『open your sense』。広い空、荒々しい滝、ゴツゴツとした岩肌など壮大な自然が映し出される中に、立ち現れる渋谷のスカイライン。普段何気なく見ている渋谷の景色は、地球の視点から見るとどのように見えるのか?見る人の感覚を揺さぶる面白い映像作品になっています。


●(応募者名)「野副 安友子 Ayuko Nozoe」
●(作品タイトル)『open your sense』
●(テーマ)「ひらいてむすんで」
●(作品への想い)「バラバラになった世界の輪郭をむすびなおせるように。何気なく通りすぎている風景に感覚をひらこう」
●(応募者コメント)「世界各地で撮影した環境映像にshibuya sky からの空を重ねて。滝の映像は2008年冬にアイスランドで撮影。渋谷の風景は変化を重ね、その個性に魅了されますが、少し俯瞰して、普遍的な地球の記憶として感じなおし、それまでと違う渋谷を発見してもらいたいと思い制作しました。」