SHIBUYA CAST./渋谷キャスト

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2021/09/03
【往古今来 フゾロイなクリエイティブ論】

余白があるから、「不揃いの調和」を体現できる。
建築デザインの舵を取ったメンバーが語る、「計画しない計画」の重要性

Vol.2 広瀬郁氏(Tone & Matter)、玉井美由紀氏(FEEL GOOD CREATION)
余白があるから、「不揃いの調和」を体現できる。 建築デザインの舵を取ったメンバーが語る、「計画しない計画」の重要性

10 年前のコンペ立案にはじまり、紆余曲折を経ながら今年で開業から4年を迎えた渋谷キャスト。

 

連載「往古今来 フゾロイなクリエイティブ論」では、毎回、渋谷キャストの設計やデザインに深く関わったクリエイター諸氏にご登場いただき、開業前後から現在、未来を語っていただき、それぞれの視点から渋谷キャストや渋谷の街の可能性を探っていきます。

 

第1回目の建築家・豊田啓介さんに引き続き、2回目は、プロジェクト推進のディレクションを担当されたTone &Matter代表の広瀬郁さんとFEEL GOOD CREATION代表の玉井美由紀さんがゲストです。それぞれ異なる役割、スタンスで渋谷キャストとどう向き合ってきたのか。施設全体のデザインディレクションやクリエイターのキャスティングを担当された田中陽明さん(春蒔プロジェクト株式会社)をナビゲーターに迎え、お話を聞きました。

 

 

【プロフィール】
広瀬 郁/株式会社トーンアンドマター 代表取締役
東京生まれ。東京理科大学 横浜国立大学大学院 建築専攻卒業。
経営コンサルティングファーム、不動産ディベロッパーに勤務し、2008年に独立。企業・行政などの「組織」と才能ある「個人」をつなぎ、新奇性の高い多様なプロジェクトに参画。
渋谷キャストではco-lab田中氏とともに、企画資料制作において開発コンセプト作成やデザインディレクションを担当し、クリエイターのキャスティング等を行う。


玉井 美由紀/株式会社FEEL GOOD CREATION 代表取締役、CMFデザイナー、CMFクリエイティブディレクター
1968年生まれ。武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科卒業、本田技術研究所に入社。
2007年、「FEEL GOOD CREATION」設立。色や素材、加工を中心に幅広い分野で商品のコンセプトやプロダクトアウトを手がけ、日本のCMFデザイナーの草分けとなる。 現在では、プロダクトブランドから工業デザインまで幅広い産業分野を手がけ、コンセプトメイキングからプロダクトアウトまでトータルでデザインすることで新たなる創造価値のフィールドを開拓。
渋谷キャストではCMFデザインを担当。当時co-labメンバー。


田中陽明 / 春蒔プロジェクト株式会社代表取締役、co-lab企画運営代表、クリエイティブ・ディレクター
2003年にクリエイター専用のシェアード・コラボレーション・スタジオ「co-lab」を始動し、2005年春蒔プロジェクト株式会社を設立。国内外を問わず、クリエイター向けシェアオフィスにおける草分け的な存在。渋谷キャストには構想段階から参画し、施設全体のデザインディレクションを手がけるなど設立の中心的役割を担い、開業後の施設運営にも深く関わっている。

 

 

PHOTOGRAPHS BY YUKA IKENOYA(YUKAI)
TEXT BY Satoshi MIYASHITA

計画通りにいかなくても、本気で面白がればうまくいく

 

田中:渋谷キャストはオープンしてから4年が経ちました。渋谷駅周辺の開発もどんどん進む中で、今もここだけは特異な存在だと思っています。 そこで、なぜこういう場所になったのかという経緯をアーカイブとして残しておくべきじゃないか。そう考え、前回に引き続き、今回も「渋谷キャスト」のキーマンになった方々にお越しいただきました。

 

ーーコンペの企画を立ち上げてから約10年ぐらいなので、当時のことは話しながら思い出していただければと思います。まずは、Tone &Matter代表の広瀬郁さんから、プロジェクトに参画されたきっかけを教えていただけますか?

 

田中:渋谷キャストはもともと都営宮下町アパート跡地の再開発事業なのですが、「クリエイター等の交流、育成、情報発信に資する施設」というお題を東京都から受けて、東急などの複数企業がプロポーザルコンペに参加することになって。そのときに東急さんからco-labがクリエイター支援を行なっていることを評価されて声を掛けてもらい、入居に関心がある表明をしたというのが最初でした。

 

そして、コミュニティづくりのコンセプトメイクや企画案づくりのお手伝いをしていたのですが、コンペ締め切り日間近に迫った頃、東急さんから「クリエイティブ部分の内容をより厚くしたい」という急ぎのご連絡があって。不動産開発系の話だったので、僕はco-labに入居いただいていた広瀬さんが適任じゃないかと考え、そのあとすぐに声を掛けました。

 

広瀬:急だった(笑)

 

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田中:次の日ぐらいにふたりでミーティングをやったのを覚えていますね。

 

広瀬:クリエイティブをテーマに確実に企画を動かすためには、co-labさんに一任したほうがいいだろうとなったんでしょうね。僕は会うなり、そもそもプロジェクト全体の資料内容ってどうなっているんだという話をして……。

 

田中:それで設計のメインを担う日本設計の担当者に現状のプランをヒアリングして、よりよいアプローチの方法を検討しました。

 

広瀬:とにかくすごい勢いでコンペの企画案をまとめたのを覚えていますね。そこに盛り込む項目には交流、育成、情報発信とあったので、僕らは空間、運営、ネットワーク、ビジュアルをやるので絶対に勝ちにいきましょうって言って。

 

田中:そうだ。毎日、徹夜してた(笑)。

 

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広瀬:デジタルファブリケーションを盛り込んだカフェみたいなこともやろうとか、いろいろと盛り込みました。東急さんにも「本当に全部できるんですか」って言われて、ちょっと焦ったり。

 

田中:そうそう。

 

広瀬:でもその結果、実際に僅差でコンペが取れた。このコンペは公募なので講評がオープンになっていて、やっぱりクリエイティブな部分で評価点が高かったのはうれしかったですね。

 

田中:「実現性がある」っていう評価もあって、それだったら開発のほうでもディレクションをやらせてくださいって話をしました。
コンペ後のことは全然決まってなかったけど、「オススメの建築家やデザイナーはいないか」という話になって、その流れで参加させてもらうようになり……。co-labのクリエイターを中心に関係の建築家やデザイナーを含めてチームを編成して、デザインディレクションや商品企画などにも関わらせてもらいました。

 

広瀬:懐かしいですね。

 

ーーそうするとコンペの段階で、すでにかなりの構想ができていた状態だったんですね。

 

広瀬:施設全体を面白くしたいと思っていたから、コンペでもプログラムをいっぱい入れ込みました。

 

田中:住居スペースはあるけど、商業施設ではない。オフィスビルというには小さいし、だからこそ「クリテエイティブ」という部分を前面に出さなきゃいけないですから。

 

広瀬:全てが計画通りにいかなくても本気で面白がってやれば、別の形になってもうまくいくんだと思います。

 

田中:おかげで、今じゃ定着してきています。

 

 

 

「不揃いの調和」という言葉の中にある本質を伝える

 

ーーさまざまなクリエイターが参画するプロジェクトにおいて、それぞれが同じ方向を目指すのはなかなか難しいですよね。そんな時にCMFデザイナーであるFEEL GOOD CREATION代表の玉井美由紀さんがチームに参画された意味は大きかったのではないでしょうか?

 

田中:そうですね。玉井さんにはコンペ後、デザインのコンセプト制作を担当してもらうために予算をつけてもらっていました。

 

玉井:参加したのはかなり後の方で、建築家やクリエイターのみなさんが勢揃いされた頃でしたね。

 

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田中:当時、デザインコンセプトはある程度詰められていたけど、デザインコードにあたるカラー、マテリアル、フィニッシュの統一感がばらばらで。玉井さんがチームに入ってから何度目かのミーティングをする中で「不揃いの調和」という言葉が出てきて、みんなの心にすごく刺さったんですよね。

 

それ以降、互いにキャラクターも世代も少し違う者同士で、毎回ミーティングするたびに、「不揃いの調和」っていうワードを基準にしながら、擦り合わせていきました。あのワードがなかったら、何となくはまとまっていても、どこかで辻褄が合わないところが出てきたんじゃないかと思います。

 

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玉井:CMFデザインは「色」と「素材」と「質感」、この三つを総合したデザイン。デザインって表面を装飾することだけと思われがちですが、装飾よりも手段というイメージです。表面はどんなものにもあって、何かを伝えるときの最大の要素です。単純に着飾るだけじゃなく、本質のところを伝えるための手段として、CMFデザインはあります。

 

企画する中で、チームのみんなが何となく同じイメージで思い込んでいる認識が、ちょっとずつずれていたりすることってあるじゃないですか。とくに長い時間を掛けて開発する場合、最終的に、その「ずれ」が起こりやすい。プロダクトも一緒です。私は、もともとカーデザインを手掛けてきたので、開発期間が長いとどうしてもずれちゃう。そうならないように本質のところをきちんとリアライズしながら、みんなの頭に刷り込むわけです。CMFデザインについて、私がチームのみんなに伝える時に使っているワードが「不揃いの調和」です。

 

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玉井:結局、自然界も全部が同じモノってなくて、いろんな植物や動物が共存して、循環している。まさに、「不揃いの調和」だと思います。全部、刈り込んで同じサイズの同じ種類の植物はきれいかもしれないけど、でも、そうじゃないところが渋谷キャストの面白さですしね。確か開発段階でも、いろいろなデザインのキーワードが出ていましたよね。

 

広瀬:「Share the Creative Life」とか。

 

玉井:そう、たしか「スイミー」っていうのもありました。いろんなジャンルに幅があったので、その幅を狭めていくために、出てきたキーワードをもとに、素材のサンプルを前にしてマテリアルに触れたり、五感を使ってイメージを共有するみたいなことをやりましたね。

 

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広瀬:そのプロセスは結構大きかった気がする。例えば、観葉植物がなくなるとこうなるねとか。外した瞬間全然つまんないみたいな。

 

玉井:そうやって世界観をつくっていくと、絶対に外せないものが浮き彫りになります。コストの問題で最終的に諦めようってなったときに、いやここは捨てちゃいけないって言える部分、どういうものが必要だっていうのを何となく素材の中で体験するわけです。

 

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ーー玉井さんご自身としては、CMFデザインをいろいろなプロダクトで実践されてきたと思うのですが、建築に関しては渋谷キャストが初めてだったのでしょうか。

 

玉井:初めてでした。プロダクトは最終的には商品化するためのデザインですが、建築の場合は概念みたいなものや価値をビジュアル化すること。渋谷キャストで仕事をさせてもらうまで、建築での経験がなかったので、はっきり認識していたわけではないですが、そのビジュアル化までのプロセスが自分の役割だと思いました。

 

私は新しいことを何でもやりたいタイプなので、初めてという不安よりもわくわく感や興味のほうが大きかったです。いろいろなクリエイターの突拍子のない意見もあったりする中で、面白いところを見つけてみんなで喜ぶって、今、あらためてみなさんが本当にすごい人たちだなと思います。

 

広瀬:無責任ですよね。

 

玉井:いや、でも、すごいなと思って。

 

広瀬:混乱、大好き!みたいな状態でしたからね(笑)。

 

玉井:私に声を掛けてくれたのも、普通、絶対ないですからね。おふたりじゃなかったら声も掛からないし、面白がりもしてくれないと思う。そこに何かを見つけてくれる。見逃しちゃったり、思い込みでバイアスが掛かっているようなところを全部、取っ払って見つけられる力。それがあったから、こういうものができたんだろうし。

 

広瀬:僕も玉井さんとは以前ご一緒したことはあったけど、あらためて玉井さんの仕事って、すごいなと思いました。でも、僕たちが玉井さんのような人をチームに入れたほうがいいといきなり進言しても、その重要性を知らない人は理解しづらい。だからしっかり資料を作って、ここが大事なんだと説明しました。

 

玉井:開発当初きつかったのはそこですよね。なんでいるの? みたいな。

 

広瀬:それこそ周りのデザイナーメンバーも玉井さんのことをよく分かってなかったから。一応プロに対して色とか素材って言われても……っていう人もいたと思うけど、やっていくうちに、こんなに面白いことを言ってくれる人なんだ!と変わっていく、あのプロセスが面白かったですね。

 

ーー田中さんとしては、玉井さんの人となりなら楽しくやってくれそうだと思われましたか。

 

田中:玉井さんのそういうキャラクターは貴重でした。いつも場の雰囲気を和ませますから。

 

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誰かに踊らされている感のないところが魅力

 

広瀬:僕も田中さんも自然と声をかけていて、キャスティングというほどの仕事はしてないんですけど。

 

田中:でも、なんだかんだそう言い続けていたから、このビル名も「キャスト」になったわけで。

 

広瀬:それ、すごい話ですよね。

 

田中:そうなんですよ。ネーミングの会議に僕はいつも非公式で、毎回入らせてもらって。一応、ネーム案も出すんだけど、そのたびに「キャストがいい」って何度も言っていました。とくに勝算があったわけじゃないですけど、みなさんも「最終的にキャストだな」ってなって(笑)。

 

だから、ネーミングの妙というか鬼門なのか、ここに入居(キャスティング)される人や会社はみんなちょっと個性的で、独特の思想を持っているのが面白いです。

 

広瀬:不動産業界の中でも、決め打ちじゃないけど、コンペの企画段階で「こことこことがコラボレーションするんですよ」「そしたら、こういう風になるんですよ」ってもう少し伝えてくれると業界側の見方も変わると思います。 相変わらず、「このフロアは坪単価いくらで貸します」とか、「このテナントは開発上、仕方ないから入れました」とか、そういう考えだと結局、一時点の条件で管理だけをすることになり、分断が起きてつながらない。

 

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田中:今後はデベロッパーも入居者の連鎖を生むために、要は運営委託者を決めて取り組む方がいいと思うんです。

 

広瀬:渋谷キャストは、普通の不動産ビジネスの手法でできた施設と明らかに違うし、そもそもコンペの企画から開発、運営までを一貫したストーリーで、東急さんがやってこられたのがとても大きい。

 

田中:本当、そう思います。

 

広瀬:僕の最近のテーマは「計画しない計画」。
渋谷キャストはそれがものの見事にできていて、当時のコンペ案をあらためて見ても、結果、有言実行になっていると思うんです。想定した人とか区画とか、デザインだけではなく、運営の在り方も多少変更はあるけれど、ほぼほぼチームでイメージしたとおり。ビル全体がただのオフィスビルではなく、そこに住むというモチベーションをもっている人たちもいる。 その多様性がきっかけとなって毎日いろいろなことが起きているんだろうなって思います。

 

見渡してみると、他の開発事業ってどれも不動産屋さん目線で、ホテルが建って、公園に人がいっぱい来て、大手のカフェチェーン店は大繁盛みたいな。 僕はそれを否定しているわけじゃなくて、ここはそういう場所とは全然違うってこと。「ここは自分の場所だよ」と入居者が言い切れるような自分事として考える人が多くいて、結局、僕は僕なりに関わるし、入居者はきっと全然違う意味で渋谷キャストに関わっているんだろうなって思います。

 

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田中:ファサードやランドスケープを手掛けた建築家の豊田啓介さんも、しょっちゅうここにいるんだけどさ。

 

広瀬:最近だと、(長岡)勉ちゃん(co-lab内装デザイン担当)が大階段にすべり台作ったりするわけじゃん。ああいうのを見ていても、ほほ笑ましいですよね。

 

田中:関わった人が愛着を持ってるんですよね。

 

広瀬:自分がそこに参画したことの意味とか、今ここにいる意味を感じられるのがすごくいいなと思います。それは経済状況とか見た目がオシャレだから、みたいなこととは少し違うニュアンス。今日も周辺を散歩したけど、ここだけ空気の流れが違いますもんね。

 

GAFAなどにみられるキャンパス型のオフィスっておしゃれでいいなって思う人もいるけど、ある世代以降は、実はそこまで人気がなくて、逆に街中のボロビルにオフィスを構える次世代のスタートアップのワークプレイスに共感していると聞きます。なぜかと言うと、誰かが決めた上には居たくないっていう感覚、踊らされず自分で選択する感じがあるからだと思います。

 

田中:それ大事だよね。

 

広瀬:渋谷キャストも誰かが牛耳っている感、シナリオを書いている感がなくて、概念がいっぱい埋め込まれて、解釈次第でいろいろ成長できるみたいな。それがすごく面白い。計画しないっていうことのほうが、価値やコアみたいなものが共有されて、いろんな解釈ができます。こういう価値形成や評価って大企業の一般的な人には全く浸透してないけど。

 

玉井:会議のときに確か「余白」っていう言葉が出ていましたよね。「余白を生かそうとか」「余白を使うとか」……。それって、co-labがそうじゃないですか。多分、co-labってちょっと緩いところがあって、当時も問題はいっぱい起きていたと思うんです。でも、だからって、ルールとか禁止事項をあまり決めたりしないですよね。 それは、きっと最低限のルールだけはみんな分かっているから、あとはもうやりながら整えればいいじゃんみたいな意識が根底にあって、それが居心地よかったんですよね、私も広瀬さんも。

 

想定外の余白を生かして決め過ぎないし管理しない。広瀬さんが言っていたようなことは、本当に肌で感じていました。だから、つくる側のほうがこうなってほしいとか、こうしちゃダメ、これがないとダメってやっちゃうと、ただ抑えているだけだから、面白いことが絶対起きないですよね。

 

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広瀬:段々とつまんなくなっちゃいますよ。もちろん、ちゃんとルール通りに動く人は、それはそれで大事なんですけどね。

 

田中:すごく分かる。

 

広瀬:だから、プロジェクト推進にあたるとき、僕はわざと予想だにしないことを起こそうっていつも気を付けています。

 

 

 

次は「禁止サイン」について、一緒に考えたい

 

広瀬:例えば、1階の広場には「禁止サイン」があまりないじゃないですか。公開空地だと普通ベタベタ貼るのに。それって運営しているという心意気や参画している気持ちがみんなにもあるからだと思うんです。

 

玉井:あと、やっぱり広場は人が来てこそじゃないですか。子どももいて、ここでスケボーとかやったら危ないなって多くの人がその場に加わることで思えるような空気にしていかないと。

 

広瀬:そういう空気感はありますよね。

 

玉井:ただ禁止って言うのではなくて、そういう場をみんなでつくっていくことが大変だけど重要ですよね。

 

広瀬:僕が今関わっているプロジェクトでも禁止サインをゼロにしているんだけど、そういうことを一度ちゃんと勉強会でやりたいよね。最終の決定権がある人たちにも理解してもらわないとだめだと思います。夜のオフィスビルのガラスの窓面でダンス禁止とか、何が悪いのか本当に分かんないから。

 

玉井:そうそう、分からない。

 

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玉井:ずっと続いてきたから当たり前っていうか、違和感なく禁止ルールを作っちゃうんだろうなと。

 

広瀬:過去を踏襲して禁止事項が積み上がるだけで、一度緩めてみる発想とかもないんですよね。

 

玉井:でも、そのほうが素晴らしいってことをみんなが知れば、もっとクリエイティブで豊かになるはずですよね。

 

広瀬:本当そう。特に東京は管理がすごく厳しいと思います。ただ葛飾区とかは僕も関わり深いけど、水元公園はなんの柵もないの。それでいいじゃんみたいな。

 

田中:あそこ、僕もすごく好き。

 

広瀬:多くの人がスケボーくらいならいいとは言っても、一方でこれは怖いとか危ないとか意見が出ると、議論もなく取っ払われちゃう。そういうのも、なんかもうちょっと共有知化したいな。

 

田中:そうだよね。こういう話ってちゃんとしないと、伝わらないですからね。

 

広瀬:ここでやりたいですよね、勉強会。

 

玉井:一緒にやりましょう!

 

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